銀魂 小説 上

□君は僕等が守るから
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『ゲッ』
歌舞伎町のド真ん中でバッタリと出くわした、真選組の三人と万事屋の二人が同時に発した言葉がそれだった。
神「お前ら何アルカ、こんなところで何してるアルカ」
沖「それはこっちの台詞でィ、俺らは旦那に用があってきたんでさァ」
神「私たちは依頼が終わって今から帰るところネ、銀ちゃんは今日二日酔いでダウンしたからおいてきたネ、お前らそんな銀ちゃんに何の用アルカ」
沖「俺たちもちぃとした依頼でさァ、まぁお前みたいな奴には関係ねぇがなァ」
神「どーいう意味アルカ、てかくだらない用事だったら承知しないからナ」
沖「わかってらァ」
新「それじゃあ、行きましょうか、神楽ちゃんも、ね、帰るよ」
神「わかってるアル」
そう言って歩き始めた二人に三人も続く。
少し歩くと、万事屋銀ちゃんの看板が見えた。
ガラッ
新「帰りましたよー」
神「銀ちゃあーん、ただいまアルー」
真選組の三人を中に入れた新八はドタバタと居間へ行った神楽を追う。
新「銀さん、神楽ちゃん…?」
しかしそこに銀時はいなかった、かわりに銀時の部屋の襖を開けたまま固まっている神楽が目に入った。
新「神楽ちゃん…?」
新八が神楽の側に行って、神楽が見つめる方を見た途端神楽同様固まった。
新八がきたことで正気に戻った神楽は銀時に駆け寄る。
神「銀ちゃん!銀ちゃん!目をあけるアル!どうしたアルカ!?一体誰にヤられたアルカ!?」
神楽がそう叫ぶのも無理はない、寧ろ当然だろう、あの銀時が肩に着流しを引っ掛けたまま全裸で、白濁まみれになって、顔には疲労と涙の跡が残っていたのだから。
この状態を見て、銀時が何をされたかわからないほど、二人も子供ではない、正気に戻った新八も急いで銀時のもとへ駆け寄り、叫ぶ。
ただことではない様子の二人に三人も急いで問題の部屋に行く。
二人の間にいる銀時を見て怒りが上昇していくのがわかった。
誰がこんなことをしたのか
と、三人、いや五人は同じことを考えていた。
しばらくして二人の叫ぶ声が届いたのか、銀時が目をあけた。
銀「…し…ぱち…か…ぐら…?」
その声は酷く掠れていて、相当なかされたのだということが伝わってくる。
神「銀ちゃん!大丈夫アルカ!?」
新「銀さん!僕らがわかりますか!?」
神楽たちが声をかけていると、銀時の焦点の合わなかった虚ろな目がだんだん二人を捉えていく。
銀「っ!!??」
その場にいる全員を捉えた瞬間、銀時の目が大きく見開いた。
土「おい、万事屋…?」
土方が突然震えだした銀時に声をかける。
銀「…ぃ…ねぇ…まって…」
土「どうした」
銀「わりぃ…汚ねぇもん…見せちまって…」
『なっ』
沖「旦那ァッ!あんた一体何を言っているんですかィッ!?俺たちぁあんたのことを汚ねぇだなんて思ったことなんて一度もねェッ!!!」
近「そうだぞ万事屋…いや、銀時、お前は誰よりも綺麗じゃないか」
神「銀ちゃん、そんなに震えないでほしいアル、今、銀ちゃんの目の前にいるのは私たちアル、私たちは何もしないヨ…?」
新「そうですよ、銀さん、僕らはいつでも一緒じゃないですか、こういう時こそ頼ってくださいよ、僕は、僕らはあんたのことが大好きなんだから」
銀時の頬を一筋の涙が伝った。
土方は思わず銀時を抱き締める。
土「まぁ、そういうこった、てめぇは何でもー人で抱え込みすぎなんだよ、ちったぁ俺たちを頼れ、今日だって俺らが来なかったらお前、隠そうとしてただろ?」
銀「っ…!」
土「吐き出しちまえよ…全部…」
土方がそう言って何秒かたった後、みんなの優しさにまけた銀時は泣いた、声を上げて、思いっきり。
銀「う…うわあぁぁぁぁぁぁぁ…」
その様子を見ているみんなの目は何処か悲しげで暖かかった。

ー辛いことがあったら言ってほしい…僕等だってあんたを守りたいんだ、誰よりも強くて、誰よりも弱い、酷く脆く壊れやすいあんたのことをー
 

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