銀魂 小説 上

□君が僕等を守るように僕等も君を守りたい
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ー最近銀さんがおかしいー
新八がそのことに気付いたのは今から三日前のことだった。
新八は神楽や妙にそのことを話した結果、銀時を少し一人にさせてみようということになった。
その間、志村家で臨時の万事屋をやることになったのだが、その噂は、真選組や柳生家、そして吉原にまで広がった。
そして今日、真選組と柳生家と吉原の人たちが志村家に集まった、用件は勿論、何故臨時の万事屋なのか、銀時はどうしたのか、ということだろう。
近「お邪魔するぞ」
いつもなら不法侵入してくる近藤も今日ばかりは真剣な顔つきで入ってきた、その後に土方と沖田、山崎が続く。真選組が来てすぐに柳生九兵衞と東城歩、月詠と晴太、日輪が入ってきた。
新八に言われた場所へ座ると、沈黙を続けさせまいと土方が切り出した。
土「今回俺たちがここに集まったのは他でもねぇ、万事屋のことだ」
新「はい…」
沖「いきなりどうしたんでさァ…旦那は…」
沖田が言うと、神楽が俯きながら話し出した。
神「…何日か前から銀ちゃんの様子がおかしいネ」
月「どういうことじゃ…?」
神「銀ちゃんは夜になると一人で泣いてるネ…」
『っ!?』
神楽の言葉にその場にいた全員が目を見開いた。
近「あいつが…?」
新「はい…夜、僕らが寝たのを確認すると、銀さんは一人で声を押し殺して泣いているんです」
神「守れなかった…って言ってたネ」
九「何を守れなかったんだ…?」
新「国取合戦…」
土「あれか…」
新八は土方を見て頷くと、言葉を続けた。
新「九兵衞さんたちは知らないかもしれませんが、僕ら、つい最近、国に喧嘩売ったんです」
九「なっ…」
新「だから銀さんはその後、朧が逃げたから…意味もない戦いでみんなを傷付けたと、自分を責めていて…」
土「なっ!あれは別に万事屋がわりぃわけじゃねーだろ!?」
沖「そうですぜィ!?旦那はちゃんと戦ってくれたじゃねーですかィ!俺たちだって助けられたんですぜィ!」
近「あれは万事屋に仇を討ってもらったんじゃねーか!俺らが直接手を出せねーぶん!」
いきなり怒鳴り散らした土方たちを前に妙が呟く。
妙「私は知らなかったけれど…土方さんたちの言ってることはごもっともです…銀さんは…なんでも一人で抱え込みすぎなんですよ…私たちを守るためなら自分はどうなってもいいなんて…」
晴「僕も、銀さんに守ってもらったよ」
月「わっちもじゃ、今回のことも、本当に銀時には感謝してる」
日「私もよ…本当に銀さんには感謝しているわ…」
九「ここにいる全員があいつに助けられたんだ、僕も守ってもらった…」
近「あいつは、弱音も吐かねーし、守ってばっかりだからなぁ…」
土「守られるのに慣れてねーってか…」
近「そうだなぁ…だからそろそろ限界なんじゃねーか?身体的にも精神的にも」
沖「だからこれからは俺らも旦那を守らねぇと…ですねィ…」
山「俺たちは…心の何処かであの人は強いと決めつけていたのかもしれませんね…」
東「そうですね…私も決めつけていたのかもしれないですね…だから…」
九「僕らもあいつを守ってやらないとな…」
新「みなさん…」
神「銀ちゃんは意外と脆くて傷付きやすいからナ!」
近「よし、じゃあこれから万事屋んとこ行くかぁ」
新「近藤さん…?」
近「あの馬鹿に…もう一人じゃねぇと…俺たちが守ってやると…言いに行かねーとな」
そう言うと近藤は笑った、みんなも、近藤のあとに続いて出て行った。
 

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