銀魂 小説 下

□お前がいればそれでいい
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坂「わしゃ宇宙へ行くぜよ。
地べた這いずり回って天人と戦っても、先はみえちょる。

わしは地球人も天人も、いや星さえ見渡す高い視点を持ち、宇宙にデカい船浮かべて、星ごとすくいあげる漁をするんじゃ

どうじゃ銀時?
おんしゃこの狭か星にとじこめておくには勿体無い
デカか男じゃけー
わしと一緒に…」

そう言いかけて、銀時を見る。

銀「…そうだなぁ…
これ以上やってもきっと勝てねぇだろうし、先生だってきっともう…

なぁ辰馬、連れてって、
俺も一緒に、宇宙へ」

坂「…銀時!
…勿論じゃ、一緒に行くぜよ!」

きっと一緒には来てくれないだろうと思っていた、だから銀時の言葉にわしは驚きつつも嬉しくて思わずそう言った。

そしたら銀時は静かに笑って空を見上げたきわしもつられるように満天の星が浮かぶ夜空を見上げた。


坂「なぁーんて、もう随分昔のことじゃのぉ」

銀「ははっ…ほんと、そんなこともあったなぁ…」

互いに背を預けながら他愛もない会話をする。
手を重ねて体温を感じながら、わしはずっと気になっておったことを切り出した。

坂「時に銀、おんし、後悔はしてないがか?」

銀「…はぁ?何をいきなり言い出すかと思えば…
…後悔なんざしてねぇよ
むしろ、来てよかったと思ってる、お前が俺だけを見て、俺もお前だけを見てる
…そんな今が、俺はすっげー幸せだ」

坂「…わしもじゃ

のぅ銀、おんし、覚えとるがか?
初めてわしらが恋人になった日のことを」

銀「…当たり前だろ、覚えてるさ、大切な日だ」



坂「銀時!見てみぃ!地球じゃ!」

銀「おー、すっげぇな!」

坂「…丸くてデカくて青い…
今までわしらはあんなとこにいたんじゃなぁ…
ほんに、わしらはちっさいのぉ」

銀「あぁ…宇宙はこんな広くて自由なのに…なんで俺らは今まであんなちっさい世界にいたんだろーな…」

坂「…みんな、小さな世界の常識にとらわれて生きとる、政治も食べもんも信じるもんも恋愛だって全部自由が制限されとる」

銀「そうだよなぁ…」

坂「でも、ここじゃあそんなもんはない、わしらを縛り付けるもんはなんもないんじゃ」
銀「辰馬…?」
坂「…銀時、わしはおんしが好きじゃ、愛しとる」
銀「辰…」
坂「ずっとずっと好きじゃった…
銀時、わしと付き合ってくれないがか?一生守ると、愛すると、この宇宙に誓う、やき…」
銀「もう、いい、それ以上なんも言うな…!」
坂「銀…」
銀「おれ…も、好きだった、ずっと…」
坂「…っ!!」
銀「…俺も、一生お前を愛す、守る、だから、だから俺から離れないで…」
坂「…当たり前じゃ…!おんしが嫌だっちゅっても、絶対離れたりなんかせん!」
銀「…ん、好きだぜ、辰馬」
坂「わしも、好きぜよ、銀時、この世界の、宇宙の、誰よりも、なによりも」

銀「ってな……なぁ辰馬」
坂「ん?」
銀「今も…宇宙の誰よりも好きだって言ってくれるか?」
坂「…あぁ、勿論じゃ」
銀「…俺もだ
…あの時、誘ってくれてありがとな」
坂「なんじゃ急に、改まって…」
銀「いや、なんか、さ…あのままあそこにいたらって考えると…
お前に会えてよかったなって」
坂「そんなの、わしも一緒じゃ」
銀「…辰馬、愛してる」
坂「…っとにお前は…
可愛いやつじゃぅ」
銀「…なっ!可愛くなんか…!」
坂「いや、おんしはかわええよ」
銀「っ…馬鹿本…」
坂「馬鹿本はひどいぜよ〜、アッハハハハハ」

陸「…殴ってええか?」
「だめです!陸奥様!」
陸「いーやもう我慢できん!
なして初めの方は感動しかけてたんに最後でぶち壊すようなことするが!?あいつは!」
「陸奥様の怒りもごもっともです!しかし、もういい加減慣れましょう!」
陸「慣れられるもんなら慣れたいっちや!」
「陸奥様あぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」

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