銀魂 小説 長編

□世界で一番大切な人
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沖「あーあ、ほんっと、暇ですねィ」
土「そんなこという暇あんなら勉強でもしろ」
相も変わらず、同じ会話を毎日のように繰り返す。
家が近いから俺は土方と登校をしている、全く…まさか来世まで一緒なんてねィ…
俺は前世、真選組の頃の記憶を持っている、だがそれは俺だけじゃねェ、今隣にいる土方や近藤さん、万事屋のガキどもまでもってた、まァ前世の奴らとはほぼ全員会ったし、そいつらも全員前世の記憶はもってたんだが…。
あと会ってないのは…
万事屋の旦那だけか…
一番肝心な、一番会いたかった人にまだ会っていない、他の奴らには会ったのに。
土「おい、総悟?」
沖「…ん?何でィ土方、んなぼーっとして」
土「それはお前だろ、ったく…
っ!」
土方が前を向いた瞬間息を呑む、不思議に思って俺も前を見た。
沖「どうしたんで…
んなっ…!」
そして固まった。
だってそこには…
銀髪の天然パーマに、透き通るような真っ白な肌の深赤の目をしたあの万事屋の旦那が立っていたから。
土「…」
沖「…」
俺も土方も最初は声が出なくて、旦那は俺らを見たけどまだ分からないようだった。
土方はまだ放心してたから俺が切り出した。
沖「…あの、旦那、ですよねィ…?」
銀「…は?」
沖「俺、総悟でさァ…沖田総悟、覚えてやせん…?」
銀「…あ、いや…ごめん、分かんねぇ…」
沖「…そうですか…もしかして前世の記憶とか持ってないですかィ?」
銀「…前世?」
沖「そうでさァ」
銀「…わりぃ、ねぇわ」
旦那が困ったように俯いて頭をかいたから俺は話を変える。
沖「じゃあ、名前聞いてもいいですかィ…?」
銀「あぁ、俺は坂田銀時だ」
土「やっぱりな」
銀、沖『は?』
土「おれぁ、直感で分かったぜ、あ、俺の名前は土方十四郎だ
ところでお前、年はいくつだ?」
土方がいきなり真顔で話し出したもんだから旦那は怪訝な目で土方を見ていた。
銀「十七だけど…」
土「十七…微妙だな、学年は?」
銀「二年」
旦那がそう言うと、土方は口角を吊り上げた。
土「同じか…よし、お前どこ校だ」
銀「どこ校っつーか、今日から銀魂高校行くんだけど…」
土「銀魂高校!?」
銀「おう、小三から八年間、アメリカ行ってたんだ、だから帰国子女ってやつだな」
土「はあー」
沖「いつ戻って来たんですかィ?」
銀「先週かな?丁度今日月曜だしいいかなって」
沖「そうだったんですかィ」
銀「ん、まぁ、お前らと同じ高校で良かったわ!あ、これから宜しくな、沖田と土方!」
沖「総悟でいいでさァ」
土「俺もトシでいいぜ」
沖田に続くようにして土方がそう言うと、銀時は二人の腕を掴み、ニカッと笑って言った。
銀「ok!Let's go!」
アメリカ仕込みのネイティブな発音を聞きながら、二人も銀時にひかれ走り出した。

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