永遠の花〜運命(さだめ)恋歌〜【第一部】

□第三章 交わされた約束
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美朱達は太極山を後にして栄陽まで来ると宮殿へと移動する。


宮殿に入って謁見の間に行くと星宿が出迎える。


星宿は玉座から立ち上がって美朱の側まで来て「美朱!倶東国へ行ったと聞いて心配していたのだ!‥無事で良かった」美朱を抱きしめる。


美朱「ごめんね、星宿」


柳宿「星宿様、こちらが四人目の新しい仲間‥井宿です。」


柳柳が星宿に井宿を紹介すると、陽気に挨拶をする井宿


井宿「井宿ですのだ、宜しくですのだ!」


星宿「私は彩賁帝、朱雀七星士の星宿でもある、宜しく頼む‥して、そなた達は‥?」井宿の後ろに居る精霊達に視線を移す。


柳宿「星宿様、こちらの二人が太一君により命を受け、井宿と一緒に行動をしている精霊達‥鳳明と妃時です。」精霊達を紹介する


美朱「鳳明ちゃんも妃時ちゃんも私の事‥護ってくれたんだよ!」笑顔


星宿「そうであったか、そなた達の事は柳宿から話を聞いていた、美朱を護ってくれた事‥礼を言わせてくれ、ありがとう」精霊達を見てお礼を言う


鳳明「美朱と七星士は全力で護ります!」


妃時「紅南国の平和の為に、少しでもお力添えが出来ればと考えています。」


星宿と挨拶を済ませた後、小声で話し出す精霊達


鳳明「ねえ妃時、紅南国の皇帝陛下って、女帝だっけ?」


妃時「失礼ですよ、鳳明」


小声で話したつもりが星宿だけには聞こえていたらしく「そなた!今、何と申した?!」そう言って鳳明を見る星宿


鳳明「ごめんなさい!女神様みたいに"綺麗"で"凛"としてるから!」直ぐに謝罪する。


「‥‥そなた」自分の側へ近付いて来る星宿に対して「だって!天女様みたいに"聡明"で"気品に満ち溢れている"から!ごめんなさい!」必死に謝罪する鳳明


井宿「陛下、鳳明は‥!」


井宿が助けに入ろうとしたその時「‥‥素直で良い子ではないか!」そう言って鳳明を抱きしめる星宿


「‥え?」キョトンとする鳳明


柳宿「星宿様‥。」苦笑い


「そなた達の部屋は美朱と同じ特別室にさせて貰う」侍女達に頼んで井宿の部屋と精霊達の部屋(特別室)をそれぞれ用意させる星宿


鳳明「え?何?!‥どういう事?!」


訳が分からない様子の鳳明に柳宿が教える。


柳宿「鳳明、星宿様は男よ、あんたの言葉が嬉しかったのね‥きっと」苦笑い


鳳明「そうだったんだ‥打ち首にされるかと思った‥。」苦笑い


「星宿様はそんな事しないわよ、だけど‥天女!女神!判るわ〜!」眼を輝かせながら星宿を見る柳宿


鳳明「そうだよね!星宿、凄く綺麗だよね!」


星宿を見ながら星宿の美しさについて語り合う二人


「鳳明」名前を呼ばれて返事をして呼ばれた方を見る。


井宿「部屋の準備が出来たそうなのだ!一緒に行くのだ!」笑顔


鳳明「うん‥!」笑顔


謁見の間を出て用意された部屋に入ると、部屋の中の綺麗な装飾や壁に驚く


鳳明「凄く綺麗―!」


井宿「だ〜!凄いのだ〜!」


妃時「本当に特別室を用意して下さったみたいですね、星宿さん」


「広い部屋だし‥寝台も二つあるから、コレなら井宿も一緒に居れるよ!」部屋の中を見渡しながら、嬉しそうに話す鳳明


井宿、妃時「‥‥‥‥‥‥‥。」



暫くの間―――‥‥‥。



妃時「鳳明?今‥。」


井宿「‥‥何て言ったのだ?」


鳳明を見る二人‥‥。



何処まで本気なのか、当然の様に「だから井宿も一緒に寝る!」きっぱりと言い放つ鳳明に対して「断るのだ!」拒否する井宿


鳳明「なんで?!‥妃時も一緒だよ?!」


それを聞いた井宿は「妃時も‥‥。」一瞬考えるが「‥って、そういう問題でも無いのだ!断るのだ!」全力で拒否する。


「鳳明、井宿さんを困らせては駄目です。」助け船を出す妃時


「そうなのだ!‥(助かったのだ〜‥。」そう思いつつも、ほんの少し残念な気持ちになる井宿


「判った‥諦める。ごめん、井宿‥。」そう言って井宿に謝罪すると少し悲しそうに話す鳳明


鳳明「‥だけど井宿、無理しないでね?」


井宿「‥‥だ?」


鳳明「井宿‥って、いつも陽気だけどたまに辛そうだから‥‥。」


井宿「‥‥‥‥‥‥。」


「ねえ井宿、頼りないかも知れないけど‥私、力になるから、井宿にはいつか‥話せる様になったら話してほしいし、頼ってほしい!そう思っているんだよ‥!」そう言って、無邪気で日だまりの様な笑顔を見せる鳳明


凍てついた彼の心も、太陽の精霊の笑顔には勝てないのか‥‥。


井宿「‥‥ありがとうなのだ。」無意識に微笑む

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