永遠の花〜運命(さだめ)恋歌〜【第一部】

□第七章 奪還
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最後の七星士、張宿を見つけ出した美朱達は紅南国の宮殿へと戻る。


謁見の間へ行くと星宿が美朱達を出迎える。


「美朱?!よく無事で!」美朱を抱きしめる星宿


美朱「ただいま、星宿!残りの七星士が揃ったんだよ!」笑顔


星宿「そうか、良く頑張ったな美朱」


「そなた達が‥‥。」美朱の後ろに居る三人に視線を移すと柳宿が簡単に紹介をしていく。


柳宿「星宿様、此方から翼宿、診宿、張宿で御座います。」


星宿「挨拶が遅れて済まない、私は朱雀七星士の一人星宿だ、この紅南国の皇帝でもあるが、私の事は星宿と呼んでくれて構わない」


翼宿、診宿、張宿も挨拶をしていく


星宿「今からそなた達の部屋を用意させる、その間に話し合いたい事があるから後で集まってほしい」


翼宿達にそう言うと美朱達にも集まる様に話す星宿


星宿と挨拶を済ませると、皆、謁見の間を出て星宿が用意させた部屋へと移動する。


井宿「どうしたのだ?入らないのだ?」皆が部屋に入るが、部屋へ入ろうとしない精霊達に訪ねる。


鳳明「私達はここで待ってるよ!話しの内容ならなんとなく分かるから!」笑顔


妃時「多分、鬼宿さんと四神天地書の事だと思いますから」微笑む


井宿「‥‥‥‥。」


「オイラは‥君達にも居てほしいのだ」少し寂しそうに微笑む


鳳明、妃時「井宿(さん)‥。」


妃時「井宿さんのお気遣いは嬉しいのですが‥。」苦笑い


鳳明「あたし達は七星士でもないし‥。場違いだから‥。」苦笑い


「そんな事無いよ!」


声のした方を見る二人


「美朱(さん)?!」


美朱「鳳明ちゃんも妃時ちゃんも私の事助けてくれた、励ましてくれた!七星士じゃなくても二人は私達の仲間だよ!」


「美朱(さん)‥。」


鳳明「ごめん美朱、変な事言っちゃって、それとありがとう!」笑顔


妃時「ありがとうございます。美朱さん」微笑む


「平気だよ、二人に変な事言う人がいたら私殴るよ!‥ね?!井宿?!」精霊達から井宿に視線を移す美朱


井宿「だ?オイラもなのだ?」


妃時「井宿さんも七星士なのですが‥。」


美朱「妃時ちゃんの為なら殴るよ!」


「だ!」美朱に便乗して満面の笑みでピースする井宿


妃時「井宿さん‥。」


鳳明「‥(え?!仲間割れって事?)」井宿を見てそう思う




―――‥‥‥。



部屋に入って暫くの間待っていると星宿が入って来る。


星宿「皆、待たせてすまなかった、早速だが倶東国にある四神天地書の奪還と鬼宿の救出について話し合いたい。」


「鬼宿っちゅう奴は何で倶東国に居るんや?」そう訊ねる翼宿に事情があって、今は敵国に捕まっている事を話す柳宿。


四神天地書を奪われた事に責任を感じていた美朱は四神天地書を取り返しに自ら敵国へ行こうとする。


美朱「私が行く!私が倶東国へ行って四神天地書と鬼宿を取り返して来る!」


星宿「美朱?!まさか一人で‥‥。」


鳳明「駄目だよ!美朱!」


妃時「危険です!それに‥四神天地書を奪われたのは私達にも責任は有ります!」


「そうだよ!美朱の責任じゃないよ!駄目だよね?!星宿?!」美朱から星宿に視線を移す。


星宿「それは‥いや、しかし‥。」


返答に困っている星宿に井宿が助け舟を出す。


井宿「オイラがついて行くのだ!ただしこれから鬼宿君とじっくり段取りを決めるといいのだ!」


美朱「鬼宿に‥会えるの?!」


井宿「会う‥っていうか、オイラの術でお互いに会話が出来る様にするのだ!」

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