永遠の花〜運命(さだめ)恋歌〜【第一部】

□第四章 義の心
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星宿に挨拶を済ませて、残りの七星士を捜す旅に出た美朱達は、栄陽を出て東へと進んで行く


「あ、見て!水晶玉に字が‥!」水晶玉に浮かんだ字をみんなに見せる美朱


その水晶玉には"山"という一文字が現れている


柳宿「そういえばこの近くに麗閣山があるけど、そこに山賊が居るって話よ?」


鳳明「何か‥関係があるのかな?」


美朱「きっとそうよ!行ってみましょう!」


そう言って麗閣山の麓まで来たものの、山賊が仕掛けたかもしれない危険な罠のことを考えると入る気になれず立ち往生していると井宿がある提案をする


井宿「オイラに良い考えがあるのだ!向こうから来て貰うのだ!」


柳宿「向こうからって‥どうやって?」


井宿は少し考えて「‥鳳明、一番安全な罠はないのだ?もしあったらそこまで安全な道で案内をお願いしたいのだが‥頼めるのだ?」訊ねる


「やってみる!ちょと待っててね!」山の入り口に近づいてしゃがむと、地面に手を触れて山の大地に語りかける鳳明


柳宿「一番安全な罠って‥そんなのある訳ないじゃない!ねぇ井宿、本当に大丈夫なの?」鳳明から井宿に視線を移す


井宿「鳳明なら大丈夫なのだ!」鳳明を見ながら返答する


「そうじゃなくて‥!」ため息を付く柳宿


鳳明「‥判ったよ!少し歩くけど向こうの山道が安全だって!一番安全な罠もそこにあるみたいだよ!」


井宿「ありがとうなのだ!鳳明!」微笑む


柳宿「‥‥意外と便利ね」


鳳明の案内で無事に罠の仕掛けられた所まで辿り着く


鳳明「あの辺りまで歩くと下から網が出て来るよ!」笑顔


柳宿「本当に此処まで無事だったわね‥って言うか鳳明!恰も見ていた様に淡々と話すのは止めて頂戴!」


「‥で?どうするの?」鳳明から井宿に視線を移す


井宿「あえてこの罠に掛かって、山賊達にアジトまで案内をしてもらうのだ!この方法ならアジトに潜り込めるのだ!」


妃時「‥もうすぐ、山賊達がここを通ります。」


井宿「どうするのだ?」


柳宿「どうする‥って、まあ‥そこに罠がある事を知って罠に掛かるのは嫌だけど、他に方法が無さそうだし‥仕方がないわね」苦笑い



美朱達はあえて罠に掛かると、妃時の言ったとおりちょうど良いところに山賊達が来る。


美朱達は山賊達に捕まる形で砦まで連れて行かれる


山賊達は美朱達を部屋に連れて行く


その直後、山賊達の悲鳴が部屋に響き渡る‥‥。


「何するんや―!」


「いや〜ん、エッチ!」


「新しい服が―!」


「婿入り出来ねえ―!」


「大人しく言うことを聞きやがれ―!!」片っ端から山賊達を襲い、服を破いていく美朱


「止めなさい美朱!はしたない!」止めさせようとする柳宿に対して「美朱、格好いい―!」感動する鳳明


美朱「後少し‥‥。」


妃時「美朱さん‥‥目が‥。」苦笑い


井宿「‥‥怖いのだ」


美朱が残りの山賊達を襲おうとした時「なんじゃいこのジャリは」美朱の首根っこを掴んで捕まえる


「あ、兄貴―!」目を潤ませて助けを求める山賊達


攻児「頭から一人連れて来い言われてんねんけど、元気あるさかいお前にしたる!」美朱を見る


柳宿「連れて行くんならあたしにしなさいよ!」


美朱を庇おうとする柳宿に小声で話す美朱「大丈夫、この中に五人目の七星士がいるかもしれないじゃない、私が探ってくるから!」


柳宿「だからってあんたね〜!」


鳳明「駄目だよ!美朱!」


美朱「大丈夫!」笑顔


「何してんねん!早よう来んかい!」攻児が美朱の腕を掴もうとした瞬間「待って下さい!」妃時が立ち上がる


鳳明、井宿「妃時?!」


妃時「私が行きます、私が聞いて来ますから、美朱さんは皆さんとここに居て下さい」


井宿「何を言っているのだ!止めるのだ妃時!」


妃時「美朱さんを危険な目に合わせる訳には参りません」


「ならオイラが行くのだ!」必死に妃時を説得する井宿


攻児「‥(野郎はええねん!)」内心突っ込むと、井宿から鳳明に視線を移す。


「‥(こっちの娘の方がええやん!‥ってあかんわ‥そんな事をしたら自分を許せそうにあらへん)」


妃時「井宿さんは美朱さんの側に居て下さい」


「お願い致します、私を連れて行って下さい」攻児の側へ行く


攻児は妃時を見て「‥(ま、ええか‥この娘も上玉やしな‥。)」と思い「‥行くで」そう言って妃時を連れて部屋を出る


柳宿「大丈夫かしら‥‥。」


井宿「‥‥‥‥。」

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