永遠の花〜運命(さだめ)恋歌〜【第一部】

□第五章 蘇りの町
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麗閣山で死んだ人間を生き返らせる事が出来る人が居る‥という話を聞き、その真意を確かめる為に辿り着いたのは麗閣山から北にある町、長宏


その町では疫病により苦しむ人が絶えな町だった‥。


妃時「こんな状態だったなんて‥。」


井宿「陛下が見たら嘆きそうなのだ‥。」


運ばれている人を見て悲しげに話す妃時と井宿


美朱「あ、みんな見て!字が‥!」


みんなで水晶玉を見るとそこには「癒」の一文字が現れていた。


美朱「もしかして!さっき聞いた能力の人かな?!一石二鳥じゃん!」


(ドカッ!)


美朱の振りまわした腕が通行人に直撃する「あ―!すみません!」直ぐに謝罪をする美朱


「どうもすみません!」ぶつかった人に謝り介抱する柳宿


「大丈夫です、私の方こそよく見ずに‥。」


「‥(おお!凄い美人!)」柳宿と少華さんを交互に見て、少華さんの胸を触る美朱


少華「キャ―――!!」


柳宿、井宿「美朱(ちゃん)?!」


美朱「だって、過去に二度も騙されているから‥本当に女かな―‥って思って」


「あ、あんたね―‥どうも、重ね重ねすみません!」美朱から少華さんに向き直り再び謝る柳宿


「すみませんなのだ!よく言い聞かせますのだ!」今度は井宿も加わり、少華さんに謝る。


鳳明「二度もって‥最初は誰だったのかな?」美朱を見て苦笑い


「誰でしょう?」美朱と井宿達を交互に見ながらクスリと小さく笑う妃時


少華「‥‥‥‥‥。」


「‥大丈夫ですか?」少華の顔色が悪い事に気付いて声を掛ける妃時


「大丈夫です。私、急いで‥。」


(フラッ‥。)


少華「あ‥。」


井宿「大丈夫ですのだ?」倒れそうになった少華さんを支える


少華「ええ、本当に‥大丈夫です。私、直ぐに陽さん所へ行かなければ‥。」


「でもそんなにフラフラしているじゃない‥危ないわよ、顔色も悪いみたいだし‥。」心配そうに少華さんを見る柳宿


美朱「私が送るよ、変な所打っちゃったし‥お詫びに!」少華さんをおんぶすると道案内をお願いして歩き出す。


井宿「‥‥‥‥‥‥。」


美朱を見て軽くため息を付いていると「井宿さん」名前を呼ばれて呼ばれた方を見ると「お疲れさまです。井宿さん」そう言って労いの言葉を掛けてくる妃時



井宿「だ〜!美朱ちゃんの行動にはいつも驚かされるのだ〜!」苦笑い


妃時「そうですね‥ですがさっきの井宿さん、美朱さんのお兄さんみたいでとても素敵でした。」微笑む


井宿「美朱ちゃんのお守りは鬼宿くんで十分だと思うのだ。」苦笑い


妃時「そうですか?」微笑む


井宿「君と鳳明、美朱ちゃんまで増えたらオイラの身が持たないのだ〜!」苦笑い


妃時「ですが、井宿さんなら良いお兄さんになりそうです、そんな気がします。」微笑む


「妃時‥‥。」微笑むが、少しだけ寂しい気持ちになる井宿



――――‥‥‥。



少華さんに道案内をお願いして辿り着いたのは一件の民家


「少華さん!来てくれたんですね!」家の人が嬉しそうに少華さんを出迎えると「こっちです!」急かすように奥の部屋へと案内する。


住人の様子にただ事では無いと察した美朱達は黙って少華さんの後に付いて行く


少華「‥此方の方ですか?」寝台に寝かされている人の前まで来て住人に訊ねる。


「はい‥。朝、急に苦しみだして意識が無くなって、そのまま‥‥。少華さん、お願いします。」

「大丈夫です、私に任せて下さい。」そう言って故人に口付けをすると‥‥。


故人の手がぴくりと動き、ゆっくりと目を開ける。


「おお!生き返った!」


少華「もう大丈夫ですよ‥。」微笑む


「少華さん、ありがとうございます!」


見守っていた住人が少華さんにお礼を言う


さっきの光景を見ていた美朱達は、生き返らせて欲しい人がいる事を少華さんに話すが‥‥‥。

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