ONEPIECE長編[夕暮れの約束]
□0. 序章
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サンゴside
「それは本当ですか?!」
「真実じゃもん...一体どうすれば...」
シラホシが生まれてまもないころ、体の弱い母に何かを説明している父は見たことないほど苦しそうな顔だった。
母はいつも笑ってくれる。
「大丈夫」と言ってくれる強い人だけど、その時ほどあたふた焦る様子は見たことがなかった。
そんな風に2人をさせているのは私だと、幼いながら気付いていたのには寒気すら感じた。
私はそっとドアから離れ、父の部屋に行くと無防備にも私がさっき話を聞いたものがあった。
―.....天竜人からの手紙。
読める字はごくわずかだったけど、見知った名前と書いてあることは残酷で....
"第一王女、サンゴをマリージャアヘ移住させることの達しをここに...."
そのあとは目眩がして読めなかった。
どうすればいいか分からなかった。
手が震えて、鳥肌がたった。
天竜人なんて...!
どうしても嫌だった。
陸に興味はある、いつしか行ってみたいと母と毎日のように交わす言葉は確かなことだけども.....
奴隷として、こき使われないといけないの?
私が逃げたら、どうなるの?
ふと先ほどの両親が頭に浮かんだ。