ONEPIECE長編[夕暮れの約束]
□0. 序章
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「どうしたの?顔色が悪いよ?」
綺麗な緑色の髪は薬の匂いがする。
あの手紙を読んだ後、どうすることもなく私は医学を教えてもらっている薬剤師のケイさんの家に行った。
ケイさんにもシラホシくらいの娘がいる。よく子守りを任せられるため娘さんであるケイミーは私に笑顔をよく見せてくれる。
「ねぇ、ケイさん...」
「なーに?」
「...強くなるにはどうすればいいの?」
「急にどうしたの?お姫様なのにそんなこと考えて....」
「私......、っ」
「大丈夫?!」
考えるだけで吐き気がした。背中をさするケイさんはどこか険しい顔をしていた。
「....話してみて、私が力になるわ」
「でもっ」
「貴女は言えないことって必ずご両親に迷惑がかかることでしょう?」
そんな風に言うケイさんは穏やかで綺麗な表情をしていて、
あぁこの人は私をよく知ってくれているのだと震えがほんの少し治まった。
ゆっくり話すと、穏やかだったケイさんの表情はだんだんと固いものになっていた。
「私、強くなりたい!逃げてっ太陽の光を浴びてっ、...強くなれば、なんでも、自由にできる!私いやっ、奴隷になるのも天竜人のために歌うのもっ、いや!!」
涙が流れ出て、とまることのない雫を手でぬぐいながら呼吸を必死で整えた。