新米トレーナー奮闘記
□Lv.1
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「あなたも今日で12歳か…早いものね、シシィ」
誕生日ケーキを頬張っていたら、お母さんがしみじみと言った。
「うん、そうだね」
ケーキを食べるのに夢中な私は適当に返事をした。
「私もあなたぐらいの歳に旅に出たっけなぁ…楽しかったよ」
「ふぅん」
眼前のケーキに精一杯なので素っ気ない返事をした。
「そうだ、あなたも旅に出てみなさいよ」
「うん」
「じゃあ旅立つ準備しないとね！」
「うん」
「…さっきから『うん』しか言ってないように思えるんだけど」
「うん」
「シシィ、ピカチュウはなにタイプでしょうか？」
「うん」
「…人の話はちゃんと聞きなさいいいっっ！！！」
「ﾝぐぼっ！」
お母さんがテーブルをダンッと強く叩いたのに驚き、私はケーキをフォークごと喉につまらせた。