第二章

□19.木の芽風
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木の葉崩しが行われた翌日




空は雨雲に覆われ、雨の兆しを見せていた




光の入らない大蛇丸の部屋は朝方にも関わらず薄暗く、小さな呻き声が漏れた






「うぅ…!」




腕の焼けるような痛みに目を覚ますと昨日の戦いをその脳裏に思い出させる





ゆっくりと身体を起こすと自身の紫色に染まった両腕に視線を落とす





「ハァハァハァ…。」





何もしていないにも関わらず流れ出す汗





それ程に三代目から浮けた“屍鬼封尽”は身体に堪える代物だった





しかしふと思う




これ程の効力があるにも関わらず目が覚めることがなかった





意識を手離す程の痛みではない、しかし寝ていられるなんて訳でもない





疑問だったが、その答えは直ぐ隣りにあった





「スー…。スー…。」




「…裕巳?」




小さな寝息を立て、ベッドで寝ていた大蛇丸に対して床に座りベッドに身体を預けるように眠っている少女の姿があった





この状況に疑問を持つ大蛇丸に丁度良いタイミングで訪問者が来る




ーコンコン ガチャ…




ノックの後、入ってきたのは何かの薬を持ったカブトだった




大蛇丸に視線を向けると 裕巳を気遣ってか、小さく口を開く





「おや、起きられていましたか。」





キィィィ…パタン、と扉を閉めるカブト





「カブト…。」




その視線を受け止め、大蛇丸が何を聞きたいのか察したカブトは 裕巳に視線を向けると説明する





「ずっと治療していたんですよ、と言っても治すことは出来ないので痛みが出ないようにしていただけですけどね。」




「…………。」




大蛇丸は 裕巳 を見つめる




そんな大蛇丸にカブトが近付くと液体タイプの薬を脇の机に置く




「僕が調合した薬です、飲んで下さい。」




「…………。」




その液体に大蛇丸が映る




「…カブト。」





「はい?」





「 裕巳を部屋に連れて行ってあげなさい…。」





大蛇丸が彼女をみつめる視線にカブトは少々意外そうな顔をして返事をする





「…はい。」




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