第二章
□21.雨との接触
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雨隠れの里は入国の難しい隠れ里
情報の行き来すら閉鎖的で隠れ里の中でも一番厄介なものと言われている
特に木の葉から雨への介入は一番厳重な門がある
何故ならその場所が雨隠れで一番発達した都心で雨隠れの里を収める長、山椒魚の半蔵が住む場所だからだ
しかし大蛇丸が裕巳を拾ったのは砂から雨に繋がる場所
そこは一番人口が少なく、更に滝隠れの里からの奇襲もあり、大蛇丸達の侵入は気付かれなかった
しかしあれから一ヶ月が経とうとしている…
「着いた…。」
裕巳は雨隠れの忍に気付かれないよう、里内へと侵入する
と言っても滝隠れの忍に惨殺された事件があった後、この地域に人影はまるで無くなった
「ただいま…みんな……。」
土の盛り上がりが続く光景に裕巳は静かに呟く
ザッ…
地面に着地すると裕巳はすっかり硬くなった土に触れる
「ごめんね、自分の故郷なのに…全然皆に会いに来れなくて。」
返って来ない返事を分かっていても裕巳は語り続ける
「私ね、今大蛇丸様って言う方のところに居るんだ。カブトさんって人も居てね…私を助けてくれたんだ。」
嬉しそうに笑う裕巳
「皆を失って居場所を無くした私に『此処に居て良い、私が親だ』って…言ってくれたんだ。
…今、その人が苦しんでる。私は力になりたい、だから帰ってきた。
皆で集めた医療書、ちょっと見させてもらうね。」
裕巳は立ち上がり本堂へと向かう
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