第二章

□23.止まぬ雨
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カブトは目の前の笑顔を見ると胸が痛んだ




「…裕巳、無理はしなくて良い。
君が話したくないと言うなら話さなくて良い、だからそんな顔で『大丈夫』なんて嘘を吐かないでくれ…。」





カブトは一度離れた裕巳の身体を引き寄せ、抱き締めた





「……!」




裕巳は目を見開く





(もしかして…消した毒芽の記憶が甦ったのか…?)




カブトは頭を撫でるフリをして裕巳の記憶を覗き込む





裕巳の中で今、一番強い記憶がカブトの脳内に映し出された





「ーーーーー‼!?」








赤 真っ赤な鮮血





『どうして…私は…里の為に……。』





血の海に倒れる女性




その女性を見るは白い刀身を真っ赤に咲かせた少女が一人









「……カ……ブトさん……!?」




カブトが我に返ったのは裕巳の苦しそうな声が聞いた時だった




気がつけばカブトは裕巳の首を掴み、吊り上げるような形をとっていた





「ーーーー‼」




カブトは即座に裕巳を開放する





地に足がついた裕巳は『ゴホッ、ゴホッ。』と咳を繰り返す





視えてしまった 今の裕巳の心が




感じてしまった 過去の自分自身の感情を





「すまない…。」




カブトは小さく謝るとその部屋から出ていく




「カブトさん…?」




その真実は裕巳が雨隠れの上層部に仕えていた時まで遡る…





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