第二章

□25.反乱者達の嵐
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「ーーーーさん!」



そこは薄暗い闇の中だった



「ーブトーーん!」




彼を必死に呼ぶ声が響く




「カブトさん‼」




「ーーーー!!」



バッ! とその人物は瞼よりも先に身体を起こした




「良かった…気が付いたんですね…。」



ほっと一安心した彼女の顔を見てカブトは大きく目を開いた




「此処は…裕巳…?
一体何が起こったんだい…?」




「分かりません…ただ…私達、監禁されてるみたいなんです。」




裕巳の声は慎重だった




カブトは状況確認をしようとしたが、その前に意識が途切れる前に裕巳にしたことを思い出す




自分は感情のままに裕巳を殺そうとした
裕巳を直視出来なくなる




カブトの心情を察してか、裕巳は背中を向けながら口を開く




「カブトさん、今しばらく…私の命は私に預けて下さい。」




「……裕巳、僕はーーー。」




「何も言わなくても大丈夫です。
良く分かっています、私は憎まれるようなことを沢山してきたんです。
カブトさんは悪くない、何も…悪くなんてないです。」




「…………。」




カブトは心臓が締め付けられる様だった




「これが終わったら私を殺して下さい。
…厚かましいけど私はカブトさんや大蛇丸様のこと、家族だと思ってます。
だから最後まで、私は貴方達を護りたい。」




「…裕巳、さっきから君は…状況が分かっているのかい?」




「…何が起きているのかは分かりません、ただ…凄く嫌な予感がする…大蛇丸様に危険が迫ってる…。」




最後はブツブツと小さな声で呟いた




「裕巳、何故君はそんなにも人の為に命を懸けられる?」




前にも聞いたような質問に裕巳は短い言葉を笑顔に乗せて答える





「私が貴方達を愛したからです。」




「ーーーーー!」




カブトは目を見開いた




裕巳は再びカブトに背中を向けて印を結ぶ




「“水遁・水龍弾の術”!」




裕巳の足元から水龍が現れる


それは目の前の壁に叩き付けられた





「…ッ!」




飛沫がカブトにも降りかかる



しかし壁は壊れることなく、パラッと一部が崩れただけだった





「…………。」




裕巳は眉を寄せる




「なかなか頑丈みたいだね…僕もやってみるよ。」




カブトがそう言って印を結ぶと裕巳が止める




「待って下さいカブトさん、下手にチャクラを使わない方が良いです!」




「…何故だい?」




「感じませんか? 此処…私達のチャクラを吸いとっています。」




「…!?」




カブトはハッとした



言われてから良く集中してみると確かにチャクラが何もしていないのに漏れ出ていた



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