第二章
□25.反乱者達の嵐
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「だったら余計に急がないと、力を奪われて終わりだ。
でも先程の攻撃であの程度しか壊れないならどうやって…。」
カブトの言葉に裕巳はもう一度印を結んだ
「裕巳! 無闇に力を使うのは不味い! まだ力のあるうちに二人でーーー。」
「カブトさん、先程はカブトさんを巻き込まない為に加減しました。…でも壊れなかった、次は全力でいきます! 防御を!」
言い終わるや否や、裕巳は印を結ぶ
先程とは違う印にカブトは直ぐに防御の態勢を取る
裕巳はスーッと息を大きく吸い、身体を反る
(水遁・爆水衝波‼)
裕巳の口から大量の水が壁に叩き付けられる
その威力は先程の倍以上だ
ドドドドドッ! と激しい水流は威力を弱めることなく目の前の壁を削り続ける
やがてその闇は太陽の光を得た
ドカーーーンッ‼
「なんて量のチャクラだ…。」
カブトが驚いているとパシャ、という水の跳ねる音が聞こえた
首をそちらに回せば両手を地面について深く、そして荒い息を繰り返す裕巳
「裕巳!」
カブトは駆け寄る
「ハァッ…はぁ…はぁ…!」
「無茶な事を…! あれで開通しなかったら彼処で死んでいたよ。」
「死にませんよ…大蛇丸様を助けるまで…。私は忍です!」
「大蛇丸様…? …! そうか、これは奴等の起こしたクーデター‼」
カブトはそれが分かると直ぐに自分が何処にいるのか確認しようとした
林か森か、周りは木しかなかった
どうやら土遁忍術で閉じ込められていた様子
足元に札が落ちていた
「これで僕達のチャクラを吸いとっていたのか…何にしても音の里が何処に在るのか分からない以上街に出ないと……裕巳!?」
気が付いたら裕巳の姿が何処にもなかった
単独で音の里に向かったのかもしれない
「また無茶を…! 大蛇丸様が何処にも居るのか分かってーーー。」
不意に言葉が途切れた
「そうか…裕巳の着けているイヤリングは大蛇丸様のチャクラをかぎ分ける…!」
カブトは裕巳が立っていた地面を見た
先程の水遁で地面が弛んで足跡がどちらに向かったのかはっきり分かった
二三歩で途切れているが、方角を知るには充分だった
後は木についた土の後を追えば良い
シュッ、とカブトは地面を蹴る
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