第二章

□25.反乱者達の嵐
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「大蛇丸“様”ぁ? ははっ! あの大蛇丸にまだそんな従順な部下が居たとはなぁ!?」




男は下品に笑う




「…答えて。」




「さぁね、俺は留守番を任されている身でね。お前さんやカブトの野郎が後を追って来られねーようにってな!
だから俺は奴等や大蛇丸が何処に行ったかなんて知らねーよ。」




つまり、こういうことだ

この男は『後を追って来られては困る』から留守番役をしている
つまり大蛇丸はまだ無事な可能性が高い




「…知ってることを教えて。」





「あ? そんな事、言うと思うか?」




馬鹿にしたように笑う男




「言いたくなかったら…ーー。」




 裕巳の姿が消えた




「ーーーー!!?」




男が動揺が早いか、裕巳は先程と全く逆の態勢になり、男の首元に白い刃を向けていた




「…吐かせるまで…私、自白させる手なら昔から沢山知ってるの……。」




裕巳の瞳がギラリと光を帯びる




「ま、マジでおっかねぇお気に入りみたいだな…まぁ、落ち着けよ…。」




噂でも聞いていたのか、男は裕巳のことをそう称した




「…………。」




「お、お前にとって大蛇丸がどんな野郎か知らねーが…大蛇丸を殺しちまえばお前も自由になれるんだぜ?」




「十。」




「へ…!?」




「九、八…七、六…。」




何のカウントダウンなのか分からなかったが男は身の危険を感じた




「ま、待てっ‼ 何処に行ったのかは知らねーが…ほ、方角なら木の葉の方だ‼」




「…木の葉?」



「そ、そうだ! 後のことは何も知らねー! 本当だ‼」




「…本当なの?」




そう訊ねながら裕巳はカチャ…とクナイを取り出した




「ほ、本当だ! 知ってることは話した‼ だからーーーーヒィ!!?」




一本のクナイが男の首元ギリギリに突き刺さった
寸でのところで止まったが、驚いた表情をしていたのは裕巳もだった


まるで自分の意識で動かした訳ではないように腕がそこにあることに驚いていた




「…そう。」




カチャ、と音を立ててクナイが仕舞われる




男は緊張の糸が切れるようにその場に倒れた




ドサッ…




裕巳は自分の手をじっと見つめる




(駄目だ…戻ってしまう…駄目だ駄目だ駄目だ…。)




白い柄を握りしめる手


裕巳はその場に膝をつき、首を何度も振った




裕巳の後を追いかけ、その姿を木の影でじっと見つめる視線が一つあった




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