第二章
□20.芽吹く感情
1ページ/7ページ
「大蛇丸様、あの毒芽と言う男はどんな人物なんですか?」
毒芽と裕巳が消えた部屋でカブトが大蛇丸に訊ねると大蛇丸は二人が消えたドアを一瞥してから答える
「あの男は草隠れで表向き薬を売ったり調合を依頼されたり…。」
「表向き?」
「裏では臓器売買とか毒の調合とか…そう言う噂の絶えない輩よ。」
「…!」
「黒い噂があっても、医者は必要とされるご時世だからねぇ…馬鹿な忍達はあの手この手でバラバラにされてるんじゃないかしら?」
笑う大蛇丸にカブトは言う
「裕巳は大丈夫でしょうか?」
「……此処は奴にとって逃げ場のない監獄。下手な真似すればどうなるか、理解してる筈よ…。」
大蛇丸の視線はドアに注がれる
「だと良いのですが…。」
「………………。」
「では始めるとしようかの?」
瓶の中身が空になったことを確認してから毒芽は裕巳の腰に厭らしく手を回す
「ーーー!」
ゾクッ! と身震いをし、その手から逃れる裕巳
バッ!
「どうかしたか?」
「いえ…あの…。」
「お主のように若い娘とはもう何年触れあってないかのぅ…?
やはり若い娘は良い身体をしておる。ヌヒヒヒ…。」
暗がりの中、手の感触がなぞる
「……‼ ちょ、どこ触ってるんですか‼」
毒芽から距離を取り、叫ぶ裕巳に毒芽は触った手の感触の余韻を楽しむように握ったり開いたりする
「少し尻を撫でただけだろぅ…ヌヒヒヒッ…。張りのある良い撫で心地じゃ。」
「…セクハラする気でしたら私は手伝いませんからっ‼」
ガチャッ! と裕巳は鍵のかかったドアに手をかけるが、毒芽の言葉が制止させる
「大蛇丸殿の薬を作らなくて良いのか?」
「ーーー!」
ピタ…
.