第二章

□21.雨との接触
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「う…ぐぅ……あぁ…‼」




木の葉崩しを行ってから数日が経過した




屍鬼封尽によって使い物にされなくなった両腕の痛みは大蛇丸を蝕み続けていた



肉体疲労は精神疲労にも変わり、日を重ねる毎に大蛇丸の体力は奪われ続ける




呻き声を上げる大蛇丸の傍らにはカブトが居る




「大蛇丸様、薬を飲んで下さい。気休め程度ですが飲まないよりは…。」




「…………。」




荒い息を繰り返す大蛇丸の髪が汗を含み、ハラリと肩から落ちる




眉間に皺を寄せた大蛇丸は横目でカブトを一瞥する




もうこんな会話を何回しただろうか、疲労の蓄積はストレスも溜まってくる





「…………。」





「………!」




大蛇丸から発せられる殺気を確かにカブトは感じた



冷や汗が流れるとカブトはゴクリと唾を飲み込む




「……やはりその術を解く方法を探した方が良さそうですね…薬ではどうにもなりませんし…。」




「フン…そんな事、分かってるわよ。」




大蛇丸は吐き捨てるように言った後、この部屋に近付いてくる一つのチャクラを感じた




「薬は毒芽でも無ーーー。」




「カブト‼」




大蛇丸はカブトの言葉を静止させるように声を上げた




「ーーー!?」




カブトが口を閉じると同時にその部屋にノックが響く




コンコンッ




「入りなさい。」




大蛇丸が入室の許可を渡すとガチャ、と扉が開く




「おはようございます、大蛇丸様。」




入ってきたのは裕巳だった





「あ、裕巳…。」




「早いわね…。」




「…なんだか大きな声が聞こえましたが大丈夫ですか?」





心配そうな顔をする裕巳にカブトが言う



「大丈夫だよ、大したことないから…。」




「そうですか…大蛇丸様、腕…痛みますか?」




裕巳は大蛇丸の側まで行くと優しく大蛇丸の腕に触れた




「えぇ…まぁ、痛くないと言ったら嘘になるわね…。」





「……………。」




裕巳が治療しようと手のひらにチャクラを集めようとしたが、それは大蛇丸に止められる




「無駄なことは止めなさい、あなたのチャクラがもたないわよ。」





「でも…。」




痛みくらいは和らげることが出来る

裕巳は大蛇丸の苦しんでいるのを黙って見ていられなかった





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