逢魔の砂時計

□絶対支配者
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「なぁ、マリク?」


「あぁ?」


盤ゲームをしながらバクラはマリク(闇の人格)に声をかける


「そろそろ帰ってくれねーと宿主が困るんだけど。」


「別に良いじゃねーか明日土曜だろ?」


「いや、土曜とか日曜とか言う問題じゃねーんだよ。」


溜め息が出るバクラ


「お前くらいしか俺の相手しねーんだよ、だから良いだろ。」


「いや、どういう理屈なんだよ。ガキ大将か。」


「困るよな。」


「お前がな?」


一応突っ込んでおく


「どいつもこいつも逃げ出しやがる。ただ『デスゲームを一緒にやらないか?』と言っただけなのにな。」


「そりゃ逃げ出すわっ‼」


机にバンッと手を置いてバクラは叫ぶ


「何だよ、ゲーム壊すと宿主様に怒られるぞ?」


マリクの言葉にしまった、という顔をするバクラ
とりあえず盤ゲームの無事を確かめるとほっと息を吐く


「『デスゲームをやれ』と言われて『はい、分かりました』と言う奴がどこの世界にいるんだよ!」


「お前が居るじゃねーか。」


「そーだったよ、俺様は馬鹿かっ‼」


勢いに任せて持っていたコマを壁に叩きつける


パキッ


「「パキッ?」」


マリクとバクラの声がハモる


見れば村人Cの腕が折れていた


「あぁぁぁぁぁぁぁ‼‼」


叫ぶバクラ


その後ろでマリクはそーっと玄関へ向かっている


ガシッとバクラに肩を掴まれた


「おぃぃぃぃ! なんてことしやがったんだよ‼」


「て、てめーが勝手に壊したんだろーが。」


「いや、責任の半分はお前にもある筈だ!」


「何で俺が…。」


「兎に角村人Cを早く…宿主が帰ってくる前に修復するんだよ‼」


「お前がここまで動揺するのは本当に宿主絡みだな。」


「てめーだって宿主の恐ろしさを知ってるだろ‼」


「…………。」


以前、マリクはバクラの宿主に会ったことがあるのだが、それはまた別のお話…



「と、とにかく接着剤でくっ付ければ良いだろ?」


「接着剤! 接着剤どこにあんだよ!?」


「そりゃ机に…。」


マリクは獏良の机を漁る


「おい、まだかよ!?」


「ちょっと待て‼ …ねーな。」


「おぃぃぃぃ‼ 村人Cの腕どーすんだよ!?」


青い顔をするバクラにマリクは考える


「ししゃしょしぇいが出来ないとなれば…こうなったら証拠隠滅だ。」


「待て待て待て‼ 何、千年ロッド取り出してやがる‼」


「粉々にして便器に流せば壊した証拠なんて見つからねー。」


「そういうのが一番怒られるんだよ‼」


「村人Cなんて無くなっても気づかねーだろ!」


「何言ってやがんだ! 宿主がどんだけこの盤ゲームやってると思ってんだよ! 草一つでも消えてたら一分で気づかれるんだよ‼」


「…あ"りえない……。」


顔が引き吊るマリク


「…あぁ、そうだ…村人Cは魔物に喰われたとこにすれば……。」


「おい、目が死んでるぞ。コンビニに接着剤くらい売ってるだろ。」


「…それだ! おいマリク、留守は任せた! 俺様は村人Cを協会に連れて行くぜ‼」


「現実と区別がつかなくなってやがる…、っておい待てよ!」


扉に手をかけるバクラ ドアが軽く開く


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