逢魔の砂時計

□母なる邪神
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「おい、宿主。おーきーろっ!」


月曜 AM . 7:00


「ううん……あと五分…。」


ベッドでぐずる宿主を起こす


「駄目だ! さっさと起きろ!」


バッ


「…うぅ…布団とらないで……。」


「取らなきゃ起きねーだろうが!」


目元をゴシゴシ擦る宿主に支度を促す


「さっさと着替えて顔洗え!
全く、日を跨いでまでジオラマなんて造ってるから朝起きれねーんだよ!」


「うるさいなぁ…。」


「『うるさい』って何だ! 『うるさい』って!
人の言うこと聞かないお前が悪いんだろ!?」


「遊戯君はアテム君と一緒に遅くまでデッキ組んでーーー。」


「他所は他所! 家は家‼」


「ちぇっ…。」


バタン


漸く洗面台へ向かった宿主
全く世話が焼ける…



チーン


ガチャ



「お、来たか。丁度パンが焼けたぜ?
バター、ジャム、どっちだ?」


「ジャム。」


冷蔵庫から苺ジャムを取り出してきつね色に焼けたパンにたっぷり塗ってやる


「ほらよ。」


「あひがと…。」


「口に物入れたまま喋んなよ。」


「…ボクトマト嫌い。」


皿の端にトマトを避けやがる宿主


「好き嫌いすんじゃねーよ!
育ち盛りがそんなことしてたらずっと貧弱のままだぞ!?」


「どうせボクは貧弱だもーん。
行ってきまーす!」


早々に逃げる宿主


「あ、コラッ!」


慌てて玄関に走る


「今日は少し早く帰ってくるから。」


靴を履きながら言う宿主


「あぁ、町内のボランティア清掃だろ?」


「うん、おやつよろしく☆」


「俺様、出掛けてるかもしれねーから何か用意しておく、何が言い?」


「シュークリーム‼」


「分かった分かった。」


「じゃあバクラも買い出し気を付けてね。」


「あぁ。」


「行ってきます!」


「気を付けろよー。」


バタン…


「さて、洗濯物干して買い出しに行くか…。」


ーーーー


ーーーーーーー




「ってな感じでよー。全くこの邪神様が付いてねーと本当しょうがねぇ奴なんだよ。」


「お前自分のこと邪神だと思ってんのか?」


「あ!? どういう意味だよ!?」


「お前がしていることは…。」

「誰がどう見ても…。」


「「オカンだぜ?」」


「ーーーー!!?」


馬鹿なっ!!?



2015/04/05
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