逢魔の砂時計

□愛するカード
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「ラー…。」


その声は深い森の中で消えた


「苦しいねぇ…痛いねぇ…腹立たしいねぇ…。
鎖に繋がれて、便利に道具のように使われて、好きでもない主人と融合なんて…お前の怒り…絶望が俺に伝わってくるよ…。」


ラーの悲鳴が聞こえてくる


「コピーカードと言えど俺とお前は繋がっているようだ…オリジナルはもう俺の手にはないけどねぇ…。」


ラーが哭いている


「さぁ…貴様は神のカードにどう対抗する?」


彼はラーのコピーカードと戦っているデュエリストを見た



カードは兵器にあらず


お前の強さに俺は惹かれ


お前を愛していた



お前が俺に力を預けるというならば


俺はそれに応えよう



幾戦の戦いを潜り抜け


闇を照らす輝かしい太陽


神々しい金色の不死鳥



俺はお前を殺されない


俺はお前を生かし続ける


何度も何度でも



俺のデッキのテーマである“不死”


お前の前に俺がいる限りお前は不死だ



お前の力が相手に劣るなら


俺が力を与えよう


俺とお前は常に共にある…



 「さぁ、ラーよ墓地より蘇生し天を舞え 炎を纏い不死鳥となりて‼」



クククッ…お前はそいつに付いたか…


さぁ、お前をコケにしたあの男を焼き払え



男の悲鳴が聞こえてくる



「静かに眠れ、ラー…お前はもう俺の手にはない。」



2015/04/04
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