第二章

□25.反乱者達の嵐
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嵐の前の空は静かと言う




彼もまた、直ぐにそれを実感することになるーーー













「…………。」




ぼんやりと視界に天上が映った





汗で湿気たシーツの感覚を背中で感じると大蛇丸はゆっくりと上体を起こした





「静かね……。」





そう呟いて大蛇丸は自身の両腕に視線を落とす




痛々しく巻かれた包帯は前見たものより新しく思えた
更にその両腕の痛みはそんなに苦にならない程に治療をした後の様だった




「またあの子は…。」




どこか可笑しそうに呟く大蛇丸
しかし直ぐにはっ、となり首を振る





「何を考えているのよ…。」





ユラユラと揺らぐ蝋燭の火が大蛇丸の瞳に映る




(カブトは何をしているのかしら…?)




空になっている薬の入れ物を見て薬を置きに来てもよさそうな時間くらい経過していると思う大蛇丸




そんな大蛇丸の考えが重なったように廊下に響く足音を大蛇丸の耳が捉える




ただ薬を持ってきたにしては荒々しく、扉は開かれた





バタンッ!




「何よ、ノックくらいーー。」




入ってきた人物の様子に大蛇丸の口は自然に閉じた




「た、大変です! 大蛇丸様!」




ハァハァ、と息を切らせる彼に大蛇丸は聞き返す




「どうしたのよ、カブト。そんな血塗れになって…。」





彼は顔を上げて叫ぶ





「クーデターです‼ 裕巳が殺られました‼」




「………。」




大蛇丸は足を引き摺りながら近付く彼を真っ直ぐ見つめる





「奴ら…大蛇丸様が術を使えないことに気づいて…この音の里のほぼ全ての忍が大蛇丸様の命を狙う為に結託しました‼
此処に居ては危険です、さぁ、早く逃げーーー。」




ドスッ! と大蛇丸の腕が彼を貫いた




そのままの態勢で大蛇丸は問う




「『危険』…それは私の命を狙う者達のこと?
それとも……。」





「…ククッ…‼」




彼はニヤリと笑う





「…姿形だけ真似て殺気を隠しきれてないあなたのことを指しているのかしら?」





大蛇丸もニヤリと笑う





彼はボンッ、と煙と共に消えると天上に張り付いていた本体が大蛇丸に襲いかかる




「オルァァ‼」




それを避けると大蛇丸は口角を吊り上げたまま口を開く





「確かにあの子のチャクラを感じないわね…あなた…いえ、あなた達。まさかーー。」




「…へっ、噂には聞いていたがやはりお気に入りがいたようだな…。
始末しておいだぜ、カブトもろともな…。」




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