大好きな... old

□分らない
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切原sid

いいなー、今頃柳先輩達は球技大会で盛り上がってんだろうなー

俺らの所は明後日にやるけど、女子がうるせーからな

絶対に楽しめねー

まあ、でもこっちには同じクラスでもある優真が

切「...あれ?」

なんだよ!授業終わってすぐに消えやがった!

一緒に食おうと思ったのに!

しゃーね、俺1人で食うか

ただし

「ねえ切原君!一緒に食べない?」

「何行ってるの?私が前から言ってるからあなたは別の日ね」

俺の周りは女ばっか

化粧は濃いし、香水は臭いし、何よりも俺らを物扱いする所が一番に気に食わね

切「ごめん!俺、優真と食うから」

「あ、待って!」

「切原くーん!」

鞄から昼飯を取り出して廊下に飛び出た

「こら切原!廊下を走るんじゃない!」

切「す、すんません!」

後ろから先生の声が聞こえるが、とりあえず謝っておく

まるで副部長みたい



切「此処まではこねーだろうな」

屋上の最後の階段を登りきった

しっかし、昼間から女どもに追われるのも嫌だ

仁王先輩の気持ちがこの1年で分かるかもしれない

?「ふざけんなっ!アイツは何も悪くないんだっ!!」

切「?」

扉の向こうから、俺の聞きなれた声が怒りを露わにしている

この声、優真に間違いねー

「「ふざけんな」?それはこっちの台詞だ!あんなヤツ、生きてる価値すらねーよ!」

風上「生きてる価値なんて、生きている人間全員にあるに決まってるっ!!」

「はぁ!?お前、何言ってんだよ。あんな「殺人鬼」生きてる価値すら、ミジンコすらねーさ」

さ、殺人鬼!?

はぁ!?ちょ、ちょっと待て!

どう言う事なんだよ!?

風上「俺にとって、アイツがいないと困るんだよ!俺はアイツに何度も助けられた!今度は俺が守るんだよっ!」

「うるせーなー。俺はアイツが気に食わねーんだよ。数人の人間を無差別に殺しておいて、のうのうと今日を楽しんでいるんだぜ?そんな殺人鬼が世の中に放たれたら、どうなるかなんて馬鹿でも分かるだろ」

風上「アイツはそんな事なんてもうしない!それに大人の命令に逆らえなかったから...」

「言い訳すんじゃねーよっ!そのせいで、俺の親だって殺されたんだっ!!」

風上「っ...」

「まだガキの頃だぜ!?ジジ、ババの家で暮らしてたら次の日には死んでたんだっ!?」

風上「っ...」

「あんなヤツ、すぐに此処に居られないようにしてやるよ。校内にばら撒けば、すぐにな」

風上「やめろっ!」

「こっちは親の仇があんだよ。俺がこの手で殺してやってもいいくらいにな」

扉越しに聞こえる2人の会話は、殺伐なんてものじゃねー

優真じゃないヤツは今にでも人1人殺す勢いがある

背筋が凍る瞬間に、幸村先輩で体験するとは

「クッソ!いやでも名前が離れねー。白川氷月だっけか?あの殺人鬼を、今度は俺の手で殺し、日本を平和にしてやるよ」

風上「氷月は悪くない!生きるための代償なんだよ!」

「自分1人が助かるために多くの人間を殺した。これが事実だ?さあ、どっちが悪者で罪人で、化け物なんだろうな?」

や、やべぇ!足音が近づいてくる!

俺はとっさに扉の後ろに隠れてやり過ごす

男はまさに不良と言う格好で出ていき、階段を下りて行った

風上「俺、また守れないのかよ...っ!」

今にも泣きだしそうな鼻声で屋上から出ていくと、しっかりと扉を閉め、やがった

風上「あ、赤也...?」

切「お、おぅ...」

まずい、マジでまずい

風上「聞いて、たんだな」

恐る恐る俺に問いを投げる

切「き、聞いてなんか...」

風上「頼む!誰にも言わないでくれ!特に氷月だけには!絶対っ!」

切「うわぁ!?」

しっかりと頭を下げて小さな声でも必死さが伝わって来る

切「わ、分かった...」

風上「ありがとう、これは俺が解決しないといけないんだ。それまで秘密にしといてくれ」

切「おぅ...」

目元をごしごしと乱暴に拭くと、勢いよく階段を下りて行った

やべぇ...、俺、白川先輩に会っても大丈夫かな?

あの人、人の感情や状態を読み取るのが上手だって、柳先輩が言ってたし

そう言う柳先輩もそう言う類の人だし

幸村先輩も仁王先輩も

死亡フラグしかねーじゃん!
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