世界が違う

□やるべき事
1ページ/5ページ

白川sid



1日1回の会議を終え、ランク戦ブースへと向かう

今日は待ちに待った迅との試合だ

鬼怒田さんの所へ向かい、我は注文してあったトリガーを取りに開発室Aへと訪れていた

鬼怒田「1回だけだぞ。それ以降は使いもんにならんくなる」

『それを知っておるのは我だけじゃよ』

鬼怒田「...迅に言ったのか?あの話を」

『言っとらんよ。言ったら今日の試合を没収させられる』

鬼怒田「そんなにケリと付けて、どうするんだ」

『うーん、そうじゃな』

鬼怒田さんから貰ったトリガーをポケットに入れ、考える

この試合が終わり、あの日が来れば

『我は後悔したくないだけなんじゃよ。だからこそ、残っとる時間でアイツを満足にさせたいんじゃ』

鬼怒田「やはり分からんな。お前の考えは」

『そりゃどーも。じゃ、行くわ』

鬼怒田「絶対1回だけだぞ!」

『分かっとるよー』



『待ったか?』

風間「いえ、時間の10分前です」

『ならええな』

今日の試合はあの日の約束の延長だ

A級1位太刀川隊隊長でbP攻撃手太刀川慶

A級3位風間隊隊長でbQ攻撃手風間蒼也

元S級で実力派エリート迅悠一

今日の試合は我1人対ボーダー自慢の攻撃手3人との5本勝負

迅「ルールは簡単にしました。俺らはチームで戦い白川さんには個人で戦ってもらいます」

『それで、そうすればええ?』

迅「俺達チームから5本奪えば白川さんの勝ちで、俺らが5本取れば白川の負けです」

『単純じゃな。ええよ、なんでも』

太刀川「負けても「なし」とか禁止ですよ」

『分かっとる。我は嘘を言わんよ』



試合開始のブザーが鳴り1時間

我は3本取られ、未だに相手は無失点

このままでは我が負ける

右手の孤月を振りながら二刀流の太刀川を流し、背後から新たな攻撃を仕掛けてくる迅に意識を向ける

カメレオンで姿を隠している風間は隙を何処かで狙っているな

太刀川を弾き、近づいてくる迅の攻撃を避けて腹に蹴りをお見舞いするも

視えていた攻撃によりダメージは少なく、空中で体を捻らせて太刀川の隣に降り立つ

これは行けると思っている太刀川の隣

迅は我の行動を警戒しながらも笑顔だ

太刀川「後が無くなってきましたよ。氷月さん」

『そうじゃな。じゃったら此処は大人げないが、お前さん達の要望に答えるとするか』

我のその言葉に2人の表情は引き締まる

もう1本の孤月を抜く

太刀川の目は待ってましたと言わんばかりに目を輝かせ

迅のボルテージも上がっているのが分かる

太刀川「ようやくご登場か。やるぞ迅」

迅「言っときますけど、攻撃は断然早くなっているので注意して下さいね」

太刀川「分かってる」

1度目は試し

2度目は風間の不意打ち

3回目は太刀川のごり押し

どれも自分が油断し生んだ隙をしっかりと狙っている

『グラス』

太刀川「ホッパー」

太刀川と同時に出したグラスホッパーにより我と太刀川は正面からぶつかった

「トリオン体活動限界、白川、緊急脱出」

「トリオン流出多過、太刀川、緊急脱出」

ボフッと戻って来る本日4度目のベット

要約1点取ったと思ったら普通に取られた

『普通に強くなっておるな』

我ながら嬉しいよ

『トリガー解除』

緑のケースのトリガーを机の上に置き、私服のポケットの忍ばせていたもう1つのトリガーを手に取った

『此処が晴れ舞台で最後の決戦じゃ。最後まで力を貸してくれな。トリガー起動』

約5年間もお世話になった近界産のトリガーを起動する

迅と同じ格好なんて何処にもなく、今着ているのは黒服に黒いローブだ

これが最後の勝負だ

この体が一番動きやすい

強い光に自身の体が包み込まれ天から落ちる

太刀川「!、その恰好は!」

『容赦はせんぞ。ガキンチョ3号』

落下している最中でグラスホッパーを起動し接近する

慌てて2つの孤月を取り出した太刀川なんてよそに、自身の2本の孤月を当てた

太刀川「ぐはっ!」

トリオン体をしっかりと狙ったはずなのに、太刀川は寸前で孤月に当ててきた

そして太刀川は流星の如く、迅が待機していた目の前へと落ちて行き

我は近くの民家の屋根に着地した

迅「白川さん!その恰好は...」

『鬼怒田スペシャルにより、緊急脱出を付けて貰った。さて、最高の試合は此処からじゃよな?』

迅「読み逃した...!」

迅の言葉と同時に砂埃に埋まった太刀川が起き上がり、風間が我の背後で姿を現し攻撃をする

風間「嘗めないでくれ」

その言葉と同時に彼の持つスコーピオンが破壊された

『残念じゃが、このローブはシールドを身に着けとる。強度はかなりのもんじゃぞ』

振り返り様に首を切り落とし、相手から2点をもぎ取った

さて、さと3点取らなければな
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ