大好きな... old

□勉強会
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風上「これでいいのか?氷月」

『...ええ、合っていますよ』

風上「よし...」

7月上旬、ようやく腕が自由に動かせる所までに回復し首から下げる事がなくなった

それでもまだ運動は控えるように言われている

そんなこんなで来週の月曜日から期末試験が行われる

中学生の優真の範囲は1学期で習った所までであり、僕の高校は1学期とプラスαの問題が出されると言う

αの部分は先生が口頭で話した事の応用を効かせたヤツらしいが

クラスのほとんどがノートにしっかりと記入してあるので問題ないと思う

それに比べて僕は授業に出席していないのが多いためその問題には答えそうにもないだろう

そのために自分が授業に出たり、クラスメイトの柳君から写させて貰ったノートを頼りにしている

そして、今日は土曜日なのですが

中間試験の時も授業の合間で出される小テストだろうと

優真の分からない所があれば、とことん僕に聞きに来るのは何時もの事である

今やっているのは化学だ

化学式を使ったモル濃度の計算や、化学式中の係数の求め方等を勉強している

優真の良い所は分からなくても提出物がしっかりと終わっている所

試験前日になっても慌てる事がない

いくら勉強をした所で提出物が間に合っていないと成績に響く時も少なくない

点数が悪くてもカバー出来るかもしれない唯一の回避方法である

風上「此処は?」

『右辺の係数が間違っています。もう一度やり直してください』

風上「マジかー...」

頭を掻き、難しい表情を保ったままテーブルの上の問題集と格闘をし続けている

時計を見れば11時半と、もすぐお昼の時間帯

優真の問題集を改めて見れば、もすぐでキリのいい所

『優真、そのページが終わったら昼ご飯を兼ねたお昼休憩にしましょう』

風上「うし!やる気出た!」

『素麺でいいですか?簡単に食べれる物ですが』

風上「食べれるんだったら何でもいいぜー」

『わかりました』

何時もより大きめの鍋を取り出して水道からお湯を注ぎ入れる

鍋に火を掛け蓋をし、その間に素麺を取りに行く

風上「氷月ー、100倍するんだっけー?」

どうやらモル濃度の計算に入ったようだ

『はい、出ないと「%」表記になりません』

風上「分かったー」

寝室の隣であり、風呂場の向かいのちょっとした倉庫部屋から麺を取り出して封を開ける

後ろを見れば、スラスラとペンが動いているようだ

沸騰したお湯の中に素麺を入れ火加減を調節し終わった所で

風上「終わったーー!!」

『お疲れ様です』

風上「おーぅ...」

『後10分以内に出来ますので、その間休憩していてください』

風上「おー...」

精神を使った優真は机に突っ伏すと今すぐに寝そうな体制に入っていた

大き目の器を人数分取り出し、氷を入れて水を張り

茶碗に素麺用の露を入れてテーブルに並べる

風上「手伝う?」

『いいえ、大丈夫です』

風上「...分かった」

麺の硬さを確かめてからザルにあけ、水でしっかりと冷やしてから

1束に纏めてザルの中に丁寧に置いていく

水漏れでテーブルを濡らさないように皿をしたに敷いてからテーブルへ運んでいく

最後にお茶と箸を用意してから

風上「いったっだきまーす!」

『いただきます』

と昼食を食べ始めたのは12時前だった、のに



切「何で終わってんだよ!優真っ!」

風上「終わらせてない方が可笑しいんだよっ!」

真「たるんどるぞ!赤也!!」

柳生「全く、切原君は...」

丸「終わんねー...」

ジャ「そりゃ、1ページも進んでいないとな」

幸「フフ、点数が悪いと分かっているよね?ブン太、赤也」

丸「わ、分かってるよ...幸村君...」

切「わ、分かってるッス!」

目の前では勉強会が開かれていた

『......』

仁「すまんのう、巻き込んで」

柳「説得が足りなかったようだな」

1時過ぎに部屋のチャイムが鳴らされれば、ドアに立っていたのは幸村君だった

どうやら、後輩のテニス部長切原君のと、赤点ギリギリ回避犯の丸井君のための勉強会を開くから来てほしいと言われた

初めは順調であったが勉強に対して2人に教える事が多く、自分達の勉強が進んでいかないから

僕を連れ出して手伝って貰おう、て事になったらしい

『はぁ...』
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