大好きな... old

□人間
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佐「うぅ...、あの人の性格なら今日は1日中いじられる...」

『一体、どのような人物なのですか?』

佐「それはね!兎に角腹黒い!!幸村君といい勝負するよ!」

『急に元気になりましたね...』

ちょっとした住宅地の中に入り、周りを見ながら彼女に質問した

その途端に先程まで元気が無かった佐藤さんが怒ったような、それでいて嬉しそうな表情を零す

佐「周ちゃんの性格は腹黒い!ドS!!ドドドのドSなんだよ!」

?「そうか、僕はそんなにもドSだったんだね」

佐「うげっ...」

後ろから爽やかそうな声が聞こえた

振り返ると茶髪で柳君と同じような糸目をした男と

頬に絆創膏を張っている明るい男と

卵のような頭をした男に

まあ、なんか9人の男と1人の女がいた

『佐藤さん、先程から後ろにいましたよ』

?「へぇ〜」

佐「先に言って!寿命が縮んだ!!」

『分かりました』

なんやかんやでその集団と小高い丘の上にあるテニスコートに着いた

その間に自己紹介をされた

彼らは青春学園と言う高等部の学生のようだ

佐藤さんは中学は青学で高校からは親の転勤で神奈川の立海に通っているんだとか

そして優しそうな男の不二周介と言う人物が彼女の幼馴染らしい

菊「うわ〜、今日の不二は機嫌が良いぞ...きっと」

越「触らぬ神に祟りなし」

不「何?シングルする?」

「「......」」

テニスコートに着くなり、不二君と呼ばれる人は青いジャージを脱ぎ

佐藤さんの首根っこを捕まえている

佐「氷月ちゃーん...、助けてぇー...」

『えーっと、頑張ってください?』

佐「はっ!」

不「ほら、お友達も応援してくれるよ」

佐「いやー!!氷月ー、悪かったってばーー!!」

「「......」」

首根っこを捕まえられた佐藤さんはそのまま不二君によってコートの中へと引きずられて行った

ん?あの表情を見るに、逝ったの方が正しそうだ

手「では、それぞれアップをして練習試合だ」

手塚君と呼ばれる男は去年まで通っていた中学で部長を務め

大「英二、アップするよ」

菊「りょ〜かい」

大石君は副部長で、菊丸君はその大石君のダブルスペア

乾「タカさん。ラケットを忘れているぞ」

河「ありがと、乾。バーニングッ!!!」

データマンの乾君にラケットを持つと豹変する河村君

桃「遅れてんじゃねーぞ、マムシ」

海「こっちのセリフだ」

中等部3年で陽気な性格の桃城君に手塚君から部長を引き継いだ海堂君

越「今日の不二先輩はスパルタッスね」

玉「遅れて来たからね...スーが」

中等部2年で一番強いとされている越前君と唯一女性の玉木さん

因みに、玉木さんの言った「スー」は佐藤さんの事

佐藤澄香だから「スー」

逆に佐藤さんは玉木さんの事を「ミー」と呼ぶ

玉木美佳だから「ミー」である

玉「あ!あなたの名前は?」

『あ、僕ですか?白川氷月と言います』

玉「白川君」

『...はい』

不「美佳、氷月は「ちゃん」の部類だよ」

玉「え?」

「「イケメンじゃん!!」」

『......』

アップの終わった佐藤さんと不二君

不二君の言葉に他の人達が驚きの声を上げる

『よくご存じで』

不「ふふ、幸村から聞いているからね」

佐「此処にも刺客が!」

不二君のアップに付き合わされていはずの佐藤さんは特に疲れが見えず

なのに、僕の後ろに隠れて不二君から離れていた

そう言えば、移動教室とかで時々佐藤さんの教室の前を通るが

佐藤さんの席の前に幸村君が座っていたよな...

佐「氷月!試合しよう!試合!!」

不「試合なら俺が受けるよ」

佐「やだっ!」

『僕よりも彼の方が強いですし、彼から学べる物が多いと思いますよ』

佐「私はカウンターパンチャーが嫌いなの!」

へー、不二君はカウンターパンチャーなのか

不「その方が楽しいからね、相手が戸惑っている姿は面白いよ」

佐「ドS!鬼畜!変態!!」

僕を挟んでの言葉の行き来がすごい事になってきた

不「じゃあ、試合する?」

佐「望む所!!」

「「......」」

そうして1分も立たないうちに不二君と佐藤さんのシングルスが行われている

乾「すまないな。不二と佐藤はいつもあんな感じだったんだ」

『いえ、仲良しですね』

菊「喧嘩する程仲が良いって言うしね」

越「あんたはしないの?」

『僕?そうですね。どちらかと言えば保護者的立場なので、どうしたらいいのか』

越「俺と試合しようよ」

純粋な、それでいて真っ直ぐな目を此方に向けてくる

怖いもの知らずと言っても過言ではない
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