大好きな... old

□出て来て
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白川sid



無事(?)2日目のバイトが終わり明日からは年末に向けて仕事の内容が増える

今日は12月26日

前日のクリスマスパーティーにも参加した彼らは上機嫌であり、今日のバイトも簡単にこなす

そして、明日から男子が多くいると言う事で僕と彼らは別行動での仕事となる



仁王「んで、お前さんは今日は別行動か?」

『そう言う事になります。しかし』

今は廊下を移動中

特に変りもない、ダークレッドのカーペットを運動靴で移動している

仁王「ん?」

『どうして仁王君が此方に居るのですか?』

仁王「悪いか?」

『いえ、そう言う訳ではございません。ただ、仁王君が此方に来ると伺っていなかったもので』

仁王「ほうか」

『はい』

1階のロビーを移動して、厨房に入った

「おう!来たか!」

元気のいいコック長が奥から出てくる

『お久しぶりです』

「また身長伸びたか?女の成長期はもう終わったと思ってたんだがな!」

『僕もそう思っています』

「がははっ!そうかそうか!んで、そっちが彼しか?」

『いえ。学校の同級生であり、部活動で同じの仁王雅治君です』

「だってよ!仁王君!!」

豪快に笑う、黒い顎鬚を伸ばしているその人は此処のコック長である五十嵐さん

年齢は既に50を超えている

色々な国へと料理の修行へ行き、和食、洋食、中華とお手の物だ



僕たちがやる仕事は主に野菜の皮むきから細かくする所まで

下味等は必要なく、ただ野菜の事に集中すればいい

だからこそ

仁王「なあ氷月。いつまで切ればええんじゃ?」

『そこに段ボールが片付いたら休憩に入り、今度はあちらの処理をします』

仁王「......柳生達は来んかのう?」

『さあ、分かりません。今はロビーの飾りつけやシーツの付け替えでかなり分散しましたから、1つの作業の時間がかかるのは確かですね』

仁王「そうか...」

キャベツの千切りをしている仁王君を目の前に、僕はニンジンの皮むきをしてからの輪切りをしている

僕の場合は皮むきから始まり、そこから輪切り

仁王君はただひたすらにキャベツを切っているだけだが

野菜のサイズが小さい分、僕の方が早い



今日の午前の作業が終わり、皆は食堂に集まる

そこに都美子さんや誠さんは見当たらない

風上「父さんと母さんは仕事だって。だから先に食べて、遊んで来いって言ってた」

幸村「じゃあ、先に食べていようか?」

丸井「あー、腹減ったー!」

仁王「お前さんはいつでも腹ペコじゃろ?」

丸井「うるせー!」

賑やかな食堂と部活動の仲間

胸の内側がほんのりと暖かくなっていき

何処か楽しい緊張感がやってきている

なんでだろう

そう思っていると、誰かに手を握られ引き寄せられ

自分が座っていた椅子の隣に立っていた

柳「行くぞ、氷月」

『はい』

どうやら中々席を立たない僕に何度も声を掛けていてくれたようだ

柳生君も真田君も若干心配そうな表情をしているし、呼んでいた本人である柳君からも聞いた
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