ただの冒険

□キノポを倒せ
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少年の後ろに付いて行くと大きな街に出た

街よりも何段か高く積み上げられている階段の上には噴水があり

その周りには食べ物屋もあれば鍛冶屋や宿屋もあった

来た方向とは逆の所には鉄柵で出入りを制限されている別の大きな建物が見え

その鉄柵の前には兵士が1人立っていた

何はともあれ、噴水の手前には木製の掲示板があり

その掲示板には色々な紙が貼られ、討伐や収集に関する仕事を提示していた

少年はそれに近づいて行くと悩みながらも一枚の紙を選び、それを取っては

噴水の近くに立っている別の兵士に渡した

「今日も元気だな」

???「はい!」

兵士に元気よく返事を返せば少年は持っている紙を兵士に渡した

兵士はそれを見てから何かの印を押すとその紙を彼に返した

???「じゃあ、さっきの所で待っているからね!」

少年は僕を置いて来た方向に向かって行くと森の中へと入っていった

すると先程の兵士が新しい紙を掲示板に取り付けた

近くで見ると、先程の少年が持っていた物だった

今周りには人はいないが、兎に角これを取ろうと手を伸ばして掲示板から手にした

少年と話していた兵士へ近づくと、物珍しそうな顔で覗きこんで来る

「見ない顔だね」

『今日来たばかりで』

「ああ、なるほどね。それ、受けるのかい?」

『はい、お願いします』

「じゃあ、紙を渡してね」

『はい』

言われた通りに紙を渡すと、懐からスタンプを取り出し「受」の赤い印を押した

「さっきの少年に付いて行くといい。君も同じだからね」

『ありがとうございます』

丁寧に案内されたのでそのまま彼のように外へ出た






???「やあ、旅人君」

『あ...』

街を出て先程の場所に戻ってみればハンマーの先を地面に置いている少年が居た

???「お、依頼受けれたんだね。どう?簡単だっただろう?」

『まあ...』

???「さて、俺と同じ依頼を受けているから、一緒に倒してみよう!」

依頼内容は「キノポ討伐」

はて?キノポとはなんだ?

新しいモンスターの名前をまじまじと見ていると少年はハンマーを担いで小さな可愛らしい歩くキノコに向かって行った

???「あれが「キノポ」だよ」

紹介されたモンスターはやはりキノコだった

???「さあ、やろう!」

肩に担いでいたハンマーを下ろすと背負っていたリュックサックを置いた

ハンマーを手に取り、キノポに近づいて戦闘態勢へと入ったので

自分も背負っていた剣を取り出して構えた

先程と同じように素早く行動して相手との間合いを詰め、相手に一撃を与える

すぐに下がって体制を立て直すと、キノポが傘で体当たりしてきた

簡単に避けれるが二体以上となればすぐに攻撃するのはやめておいた方がいいだろう

???「おりゃー!」

僕が攻撃を与えたキノポに少年のハンマーが当たると、キノポは目を回してその場に座り込んだ

???「よし!」

そしてその間に後ろからキノポが走って体当たりを仕掛けて来たので、少年との間に割って入りスキルを使用した

そう言った攻防が何時間も続くと、少年のリュックサックの隣であり、僕らの後ろには

戦闘不能になったキノポの山が出来ていた

???「よし、これで十分だろう」

ハンマーの先を地面に付け、持ち手の棒の上に片腕を乗せると

もう片方の腕で額の汗を拭っていた

僕も手に持っていた剣を背負い直し、少年の隣に立ってキノポの山を見た

???「因みに、キノポのダシで作るスープは、格別なんだぜ!」

『そうなんだ』

このキノポは討伐目的と言うよりは捕獲にした方がいいのではないだろうか?

と言うか、こんなモンスターから取れたダシ、と言うのも変だが、人間の食べる材料となるのか

その後、暫く話し込んでいると戦闘不能になっていたキノポが目を覚まし何処かへ走り去っていった

最後の一体が目を覚ますと、かなり慌てた様子でその場から逃げ出すようにいなくなった

そして、辺りはすっかり暗くなり

空には無数の星々が輝かせていた






食べられたキノポ
 

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