ただの冒険

□食べられたキノポ
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キノポ討伐の依頼を先程の兵士に言えば「受」の印の上に何やら変な生き物のハンコが押された

「お疲れ様」

兵士はその次に白い袋を取り出し、それと一緒に紙を返してきた

「これが報酬だよ」

微笑みながら「明日も頑張ってねー」と言い残す鉄柵のあった館へ戻って行った

宿屋ではかなり激安で個室を貸して貰い、そこで今日あった事などを整理していた

もしこのままこの街に留まるのであれば、資金が重要だ

泊まる場所はこの宿屋しかないし、契約で一週間単位で契約しれくれた

ならば一人でも苦労しないようにもっと腕を磨かないといけないな

持っていた荷物を部屋の隅に置き、窓と部屋の扉にしっかりと鍵を付けてから外へ出た






夜になった先程の場所は「千年樹」と呼ばれるらしい

宿の人から聞いた

???「もうすっかり夜になったね」

聞きなれた声の方に向けば

相変わらず大きなリュックを背負い、手にはハンマーを持った少年が立っていた

明るかった時と比べてとても静かになったと思う...?

ガブリンソウ「ガブガブガブガブ」

???「ガブリンソウが、キノポを食い散らかしている!?」

先程見たキノポは、頭の大きな変な植物にペロリと丸飲みされていた

???「まずいな......。このままでは、この辺りでキノポがとれなくなってしまう」

どうやら、キノポを使って料理をするのは本当みたいだ

じゃなくて

なんなんだあの植物は?

頭の大きさは人の3倍はあるだろうか?背丈も人の倍はある

あんなモンスター、初めて...

???「って、君!ちょうどいい所に!」

『!』

急に話しかけられて驚いている最中にも、少年はかなり慌てた様子で走って来た

???「君の力を貸してくれないか?頼む!」

目の前で両手を合わせて頭を下げている

『わ、分かった、よ...』

???「よし!行こう!」

満面の笑みを零しながら植物を対峙した

???「あれはガブリンソウ。主にキノポを食べに来る食虫植物なんだ」

『へ〜...』

食虫植物のサイズでは、ないような気がするな

???「兎に角、行こう!」

リュックサックを置き、ハンマーを構えて突っ込んでいく

???「おりゃー!!」

昼の時よりも気合が入っているようだ

大きなハンマーを振り下げると、ガブリンソウはそれに反抗し

足のツルを使ってムチのように振り回してきた

???「おっと!」

余裕の回避を見せ、後ろに下がってくる

ならば

???「君!」

少年と入れ替わるように前へ走っていき、そのまま剣を振り下げた

ガブリンソウはそのまま後ろに倒れると動かなくなり、最終的には空気に溶け込むような感じで消えて行った

『ふぅ...』

???「ナイスだよ!」

後ろを見れば親指を上に突き出している少年が満足げに言った

???「さあ、残りも行こう!」

『分かった』






自分達の見える範囲にはガブリンソウは狩りつくしたようだ

周りは本当に静かになった

???「ありがとう!これで街の人も一安心だ」

少年と最終確認のために歩き回っていると急に言われた

???「おっと。自己紹介がまだだった」

彼は足を止めると改まって此方を見て来たので、此方も少年の方に体を向けた

ジョー「俺はハンターのジョー。一流のハンターになる為、修行している」

『?、ハンター?』

ジョー「ハンターは、モンスターから人々を守るのが仕事なんだ」

『ほぅ...』

ジョー「一流のハンターになれば、世界を駆けまわって活動するんだぜ!」

ガッツポーズをしながら元気に話しているジョーは本当に叶えたいんだろう

だが、すぐに暗い表情になれば声の覇気も弱まった

ジョー「でも、最近モンスターが経てきているのに、ハンターが足りていない。......そこで、君を見込んで一つ頼みがある」

『?』

ジョー「ハンターになって、これからも街の人たちを助けてくれないか?」

『え...』

ジョー「君の腕なら絶対一流のハンターになれるぜ!」

まあ、特にあてのある旅ではない

旅の休憩がてら此処で留まるのもいいだろう

資金調達や辺りのフィールド散策も出来る

それにハンターになれば世界を駆け巡る事も出来るみたいだ

旅の目的を探すのには、本当にちょうどいいかもしれないな






ジョーの特訓
 

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