ただの冒険

□ハンター試験
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此処へ来て三日目

今日はあのキルギム湖で年に一度のハンター試験が行われる

既にハンターのジョーとは一緒に会場に向かう事が出来ないので街を出てすぐに分かれた

昨日と同じ場所に来てみれば、何十人もの人が集まっていた

皆ハンターになりたくて来ているんだよな

生半可な気持ちでは、どれだけ強くても試験には合格しないかもしれない

『ふぅ...』

気持ちを落ち着かせるために一息吐くと、不快なノイズが辺りを響き渡った

白銀の髪をなびかせ、青いスカートを履いている

騎士とは不釣り合いな恰好だが、所何処に入っているメタルプレートは固そうだ

彼女がジョーの言っていたルルハと言う人物なのだろう

試験官ルルハ「ハンターになりたいかー!」

「「おおぉぉーー!!」」

マイクを片手に大きな声で言えば、ハンター見習いの人達は大きな歓声を上げた

試験官ルルハ「ふーん、今年はなかなか骨のある人たちが集まっているじゃない」

彼女は品を見定めるように視線を巡らせると、真上から突風が舞った

グリフォン「グォォォオオ!!」

大きな雄叫びと共にルルハさんの隣へ降り立つと背中の大きな羽を閉じた

試験官ルルハ「この子は女神様の守護獣と言われているグリフォンよ」

ルルハはグリフォンの口ばしを簡単に撫でていた

試験官ルルハ「この子が、あなたたちの力を試してくれるわ」

「「......(ざわざわ)」」

少しずつ騒がしくなる人たちの中には、既に足が震えており、立っているのやっとではないかと思う人物がちらほらと見えた

試験官ルルハ「ここでは他の人と協力しても良いの」

その声が聞えた瞬間、真っ青になっていた人の顔色が戻って行く

何処まで正直なのだろうか?

試験官ルルハ「ハンターになるにはただ強いってだけではダメなのよ。皆と協力する事も大事。これを頭に叩き込んでおきなさい」

「「おおぉぉーーー!!」」

試験官ルルハ「さあ、試験開始!!」

その声と同時にグリフォンが羽を羽ばたかせ少し開けて景色のよい場所に降り立った

その後ろには何体をもグリフォンが待ち構えていた

ルルハの隣には別の試験官たちが立っており、その人たちはグリフォンの傍らに付いた

こうやって判断するのか

一歩どころか何十秒も遅れた自分は他の人と協力したくても店員オーバーだった

試験官ルルハ「はい、そこに人は合格ね」

「よし!」

「なんでだよ!なんで俺だけ!」

一番手前で行われていた試験では五人のパーティが組まれており、その中で四人が合格し一人が容赦なく落とされた

試験官ルルハ「あなたはマジシャンなのに敵に接近しすぎです。それでは一番最初にやられてしまいます。もっと味方の人を信じましょう」

まさかチームプレイまで見られているとはな

嬉しそうに飛び跳ねる四人は街の方へ歩いて行き、失格を貰った一人もトボトボと街へ戻って行った

ジョーの言った通り、見た目によらず容赦がない

試験官ルルハ「そこのあなた、丁度いいから混ざりさい」

『は、はい』

街を見ていると後ろからルルハさんが今から始まるパーティーに入れてくれた

試験官ルルハ「開始!」

弓を使う人は距離を取ってこまめに打ち込み、大きな盾を持っている人は相手の足から繰り出される爪の攻撃を防いでいた

そして、その背後ではメイスを振り盾役の人の回復をしている

弓使いの人とは違った杖を持った人は、グリフォンにダメージを着実に与えていた

グリフォンが大きな雄叫びを上げた瞬間、前足を盾役の人に踏みつけた

「よっと!」

盾で受け止めるのではなく、弾き返した事によって一瞬の隙が出来た

『そこっ!』

すぐに懐へ飛び込み、弓の射程には入らない位置と魔法の邪魔にならない位置へ走った

『はあっ!』

剣に気を送り、スキルによって相手にダメージを与えた

だが、そこまで大きなダメージは入らず、さらに体制を崩す程度の物だった

一度態勢を立て直すために羽を大きく広げ飛び立っていく

弓使いの人が右翼を狙っているのが視線で分かった

だかが僕は杖を持っている人に

『右翼です!』

「は、はい!」

さすがのグリフォンでも此処まで体力を削れば、片翼を撃ち抜かれた時には落ちるはずだ

剣を背負い、弓を持って重いっきり打ち込んだ

矢を二発と魔法攻撃を一気に受けた事により、あたった右翼は使いもにならなくなり

そのまま無残に地面へと体を叩きつけた

「チャンスだ!」

メイスを持った人が武器を変えると魔法攻撃へを変わり

盾を持っていた人もランスを構えて体力を削っていく

僕も弓をしまい、背負っていた剣を両手で構え、上から大きく振り下ろした
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