ただの冒険

□ハンター試験
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今度こそ動かなくなったグリフォンは荒い息を零しながら地面で気絶していた

試験官ルルハ「はい、そこまで!」

ルルハさんの一声で僕たちの戦いが終わった

ルルハさんは僕の前まで来ると満足な笑みを零しながら優しい声音で言った

試験官ルルハ「そこのあなた、合格よ!」

『...え?』

正直嬉しいが、他の皆はどうだろうか?

他の人たちもしっかりと頑張っていた、だが結果は?

他の試験官が四人の元へ向かえば、皆は嬉しそうな表情をしていた

試験官ルルハ「あら、あたなは昨晩ここで特訓していた子ね」

『見ていたのですか』

試験官ルルハ「ふーん。私の目に、狂いはなかったわ」

じろじろと見られると少しだけ離れた

試験官ルルハ「正式な手続きがあるから、後でハンター協会にいらっしゃい」

ルルハさんはスカートのポケットから一枚の紙きれを渡し

さらにそれだけ言い残すと、倒れているグリフォンの元へと歩いて行った

兎に角、ハンター試験には合格したんだ

今は街に帰って、報告を待っているジョーの元へ向かおう

まだ多くの人が残っているために後でまとめて手続きをするのだろう

今から街に帰る人も、先に帰った人も合格者と不合格者は存在する

出来るだけ自分が合格したと言わないようにしておこう

不合格者のプライドを傷つけてしまうかもしれないからな

ルルハさんから貰った紙切れをコートのポケットに入れ、剣を背負い直して街へと向かう

何時もは静かな森林を抜けて来るが、今日は騒がしい

肩を組んで楽しそうに街へ向かう姿があれば、逆に今にも泣きだしそうな悲しい表情をした人もいた






街へ着けば今までに以上に盛り上がっている

飲食店などは殆ど満員で、店の入り口には待ち時間が貼ってある

まあ、昼時でもあるし他の地域からも来ているって聞いたし

そのせいで今日は大いに賑わっているのだろう

ジョー「おーい!」

噴水の前、掲示板の右のベンチで彼は此方に手を振っていた

大きなリュックサックも相変わらずだな

ジョーへと向かうと、隣へ腰かけるようにジェスチャーをしてきたのでそれに従った

ジョー「どうだった?」

興味津々と言った表情を全開に、僕の顔を覗きこんで来る

『うん、合格したよ』

ジョー「試験官は誰だったの?」

『ルルハさん』

ジョー「え、マジ?」

『うん』

ルルハさんはかなり厳しい試験官であり、一つでも欠けていれば容赦なく不合格にすると言われているらしい

僕が試験をしている時も、くまなく目を光らせていたからな

一つの取りこぼしで、一緒に組んだ子全員が落とされるのもあり得なくないと言う

『そんな人だったんだ』

ジョー「君は本当にすごいね」

この後、ジョーオススメめのキノポ料理が食べれる場所へ行こうと思ったが

待ち時間が2時間もあったので断念し

出店で軽い物を買ってから噴水の所で一緒に食べた

ハンター協会は昼過ぎに開くだろうと言い残し、ジョーは掲示板の仕事をしてくると

最高の気分で街を出て行った






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