ただの冒険

□ハンター登録しよう
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午後に入ると噴水の周りには多くの人が集まって来ていた

兵士の人たちはその人で埋もれてしまい、此処からでは確認できなかった

キキィーと言う金属特有の不快音が響き渡れば

先程まで煩かった人たちは一気に静かになった

あの鉄柵が開いて行っているからだ

ガシャンと大きな音が聞こえれば、不快音は消え去り、代わりに兵士が入口に出て来る

「これより今年度のハンター試験にて合格した者は、中で手続きをしてください」

「「おおぉぉーー!!」」

その言葉と同時に大きな歓声が響き渡り

さらに人の波がハンター協会に向かっていた

ベンチに座っていたはずの僕はいつの間にかその波に流され、気づけばハンター協会の入口へと立たされていた

ハンター協会の入り口ではまた別の兵士が人数調整のため人を止めていた

中から出て来た人たちは嬉しそうな表情とともに、何やら細長い筒を持っていた

「此処まで入ってください」

入り口を止めていた兵士が僕の後ろに割って入ってから言った

此処までだから、自分もギリギリ入れるのだな

入り口にはまた別の兵士が立っており、そこではあの試験の時には渡した紙が必要だと言われ

慌ててポケットから紙切れを取り出し渡した

大理石のような綺麗に磨かれた幅の広い階段を五段上ってから、立派な木製の扉が開いた

ブルーを基調とした涼しい雰囲気の色合いだった

天井は高く、周りには協会で働いている執務の人たちが沢山の書類に目を通していた

そんな執務とは別の執務の人から一枚の紙を渡された

渡された用紙は手続きをするための個人情報を記入する紙だ

試験官ルルハ「じゃあ、ここで正式なハンター登録をしてもらうわ」

協会の真ん中で台の上に乗り、試験官のルルハさんが言った

マイクを使って大きな声で言わないのは、執務の人たちの邪魔をしないためだろう

僕は隅の方で邪魔にならないように移動しペンを持った

試験官ルルハ「さあ、ここに名前を書いて。あ、それと身だしなみを整えておきなさい」

個人個人に言っており、自分の前に来ても言った

取りあえず、名前記入欄には「氷月」といれ性別から歳、出身地に現住所を記入していく

最後に個人写真を撮らなといけないので、ハンター協会の入口の右側に階段があったのでそこを上ると二階があった

二階の一番手前の左側の部屋に写真室があり、そこで個人写真を撮ってから紙に貼った

一階に戻り、大の上に座って足をぶら下げているルルハさんは他の人たちの用紙を見ているようだ

その人のだいぶ後ろになるが順番を守り、並んだ

自分の番が訪れ、ルルハさんに紙を渡すと少しだけ怪訝な表情になりながらも、写真と僕と何度も見比べられ

最後には微笑んだ

試験官ルルハ「これでハンター登録は終了」

隣に置いてあった大きなハンコで紙に打ち付けると後ろで待機している兵士に手渡した

試験官ルルハ「これから一流のハンターになるには色んな試練や困難があるだろうけど、くじけないようにね!」

中々な事をサラッと言い、しまいには何か思い出したかの表情でハッとした

試験官ルルハ「あ、それと、あなたにはハンター専用のハンタークエストを用意しておいたわ」

『ハンタークエスト?』

試験官ルルハ「街に帰ったら、クエストボードをちゃんと確認しときなさいよ!」

一体、なんなんだろうか?

取りあえず、手続きは終わり走り回っていた執務の人から何かの筒と、小包をプレゼントされたので

それらを持ってハンター協会から出た

「頑張れよ!新米ハンター!」

『はい』

鉄柵の前に立っている兵士にそう言われ、宿に戻って筒と小包の確認をした

筒の中には「ハンター合格」の賞状が入っており、自分の名前がしっかりと記入されていた

賞状を丸め、筒の中にしまい持っている鞄の中に丁寧に入れる

そして、貰った小包からは何やら変な物が入っていた

水色の、石?だろうか

それが透明な何かに包まれていて、何らかのアクセサリーのようなサイズだった

小包の中には紙が一枚入っており

何時如何なる時でも離すべからず

と書いてあったので、コートの内ポケットにしまっておく

このまま今日が終わるにはまだ夕方になったばかりだ

街の外へ出て剣の素振りでもしよう

明日からハンターとしての仕事が来るかもしれない

そのためにも弱ければなんの役にも立たないからな
 

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