ただの冒険

□ガブリンソウ再び
1ページ/1ページ




早めにお昼を済ませた僕とジョーは今日もフィールドに出ていた

今日は僕が行った事がない所へ行くと言うのでジョーに付いて行く

ジョー「今から行くのは見張り台がある小高い丘なんだ」

『丘?』

ジョー「うん、王国騎士団が守っている建物なんだよ。君も場所を知っていれば何かと役に立つと思うんだ」

『なるほどね』

キルギム湖に行く手前の道で曲がり、坂を上って行った

???「困ったわ」

『?』

何処からか女性の声が聞こえたような

???「見張り台の川辺ではいいキノポがいっぱい取れるのに......」

やはり聞き間違えではなかったようだ

視線を巡らすと少し太っている専業主婦のような人が居た

ジョー「またガブリンソウが出ているな」

ジョーの言葉で前を見れば、あの時とは数が少し少ないが、確かにガブリンソウがうろついていた

???「おや?ジョーじゃないか」

ジョー「あれ?バトムおばさん、こんな所でどうしたの?」

ジョーとこのおばさんは知り合いのようだ

バトムおばさんと言われた人に近づいた

バトムおばさん「それがねー。ガブリンソウが邪魔で進めないのよ」

ジョー「そういう事なら、俺たちが退治してくるよ」

バトムおばさん「え、本当かい?」

ジョー「任せて任せて!」

バトムおばさん「なら、お願いするわ。気を付けるんだよ!」

ジョー「よし、行こう!」

ジョーに連れられるようにしてガブリンソウに突っ込んでいく

そう言えば、あの後にマンドラキングとまた武器を交換したのを思い出した

いつもの細い剣から、チェンジしたい剣を想像し、手の中の武器を変える

ジョー「!?」

『はぁっ!』

何時もより重いが、切れ味は申し分ない

ガブリンソウはそれに当たると、一撃で消えて行った

ジョー「君!その武器は!?」

『ああ、この前交換したんだ』

ジョー「え?誰と交換したんだい?そんなにいい武器を」

『マンドラキングだよ』

ジャ―「マ、マンドラキングと会ったんだ!」

『え?なんかまずいの?』

ジョー「そんな事ないよ。マンドラの王と会えるなんて、君は運も良いんだね」

『そうかな?』

武器を変えた事によって戦闘に余裕が出て来た

だが、油断は出来ない

もしもの対処も含めてジョーを見ながらもここら辺りのガブリンソウを退治する事が出来た

ジョー「このくらいかな?」

『だね』

二人で顔を見合わせて互いに微笑んでから、バトムおばさんの待つ場所へ向かう






バトムおばさん「ありがとうね。これで旅人たちにキノポ料理を振る舞えるわ!」

嬉しそうに微笑むと、腕まくりをした

バトムおばさん「お腹を空かせて待っているから、急いで帰らないと」

そう言うと駆け足で先に進んだ行った

ジョー「相変わらず元気だなー」

ジョーはまるで他人事のようにその後ろ姿を見ていた

ジョー「あ、そうそう。さっきの人はバトムおばさんと言って、街で宿屋をやってるんだ」

あの人も宿屋の人だったのか

ジョー「バトムおばさんが作るキノポ料理は、絶品なんだぜ!」

そう言った瞬間にお腹のなったジョーは

頬を赤らめて慌てていた

さっき食べたばっかりなのに

よほど頑張ったんだな

鞄からパンを取り出してジョーに渡すと、勢いよく噛みついて頬張った

ジョー「準備いいね!」

『食べながら喋るのはマナー違反だよ』

ジョー「ごめん!」

謝る時も、礼を言う時も、一つの行動にしっかりと思いが入っている

そう言う所はいいかもしれないね






あぶないキノポ
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ