ただの冒険

□あぶないキノポ
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軽食を食べ終わった頃は夕方にはまだ早い時間帯、日が真上から少しずれた程度だった

ジョー「よし!行こう!」

『うん』

気を取り直してジョーの後ろへついて行くと変な声?音?よく分からないがそんなものが聞こえた

ガブキノポ「キシャシャシャシャ!!」

ジョー「キノポにガブリンソウが寄生している!」

茶色の傘と可愛らしい顔が特徴的だったキノポ

それが、水色の傘に小さな植物を生やし、恐ろしい表情へとなっていた

ジョー「一体どうなっているんだ!?」

ジョーの慌てようを見る限り、初めて見たような感じだ

ガブキノポ「キシャアアアア!!」

奇声を上げながらガブキノポは此方に向かって走って来た

ジョー「うわっ!これでは街の人たちが危険だ。すぐに退治しよう!」

ガブキノポは僕らに近づいて来ると

ジョー「うわっ!」

『ジョー!』

ガブキノポはジャンプをして地面に着地すると、水属性の魔法をぶつけて来た

何かの攻撃を仕掛ける事が分かっていた僕は避ける事に成功したが

ジョーは正面から突っ込んで行ったので少しだけ押し戻されるような形でダメージを受けた

ジョー「大丈夫だよ!」

『分かった!』

新しい武器のスキルを使うと、水・火・風・土属性の武器及びスキルは使えなくなるが、リロード時間がかなり短縮されるものだ

ガブキノポが魔法を使った事によって生み出された隙を利用し、真上から剣を振り下ろした

ジョー「俺も!」

別方向からくるガブキノポに向かってジョーが自分で作ったと言った剣を横に振った






それからもここら辺にいるガブキノポを処理し、終わった時には陽が沈む所だった

ジョー「ふう、あたかた片付いたね」

最終確認のように辺りを見渡しながら言った

するとすぐに難しい表情となり何やら考えごとをし始めた

ジョー「しかし、気になるのは、最近モンスターの異常繁殖や凶暴化が相次いでいる事。一体何が起こっているんだ?」

仕事をしているとよく耳にする、モンスターの異常性

爆発的な繁殖や、普段大人しいはずのモンスターが些細な事で凶暴化する事があるらしい

最近ここに訪れた僕にとっては分からない事だらけだ

この街の付近では何が起こっているのだろうか?

ジョー「じゃあ、帰ろうか」

『そうだね』

ジョーの言う通りに帰路に立った






夜の街には何度も足を運んでいる

仕事が遅れてしまったりとか、途中で困っている人を助けたりとか

夕方前に仕事が終われば、特訓に行くためにフィールドへ出る

いつもの兵士にクエストの完了を言いに行くと

バトムおばさん「ジョー!それにあんたも。良かったら食べていかないかい?」

ジョー「え!いいんですか!?」

バトムおばさん「昼間のお礼だよ」

ジョー「やったー!」

たまたま買い出しに出ていたバトムおばさんと出会い

昼の件でお世話になったと料理をサービスしてくれた

カウンターに座ると、グツグツと何かを煮える音が......

『......』

ジョー「おばさん!いつもの!」

バトムおばさん「はいはい」

大きな鍋には見た事のある茶色の傘と

芯まで暖かくなったのか若干赤いキノポが見えた

そうだった、ここはキノポ料理を出すお店だった

バトムおばさん「たーんとお食べ」

ジョー「いっただきまーす!」

ジョーは定食のような物を食べており、味噌汁にはあのキノポのダシが使われていた

バトムおばさん「あら?何か嫌いな物でも入っていたのかい?」

『あ、いえ、大丈夫です』

箸に手を付けて、まずは、味噌汁から

『あ、おいしい...』

予想と反したうま味が口の中に広がった

山菜(?)特有のすっきりとした味だ

それから箸を進めて行き

今日も素振りのために夜のフィールドへ出た

ジョーも行きたいと言うから、昼間にあまり見えなかった丘へ行く事にした






猛牛注意
 

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