ただの冒険

□倒れそうな見張り台
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朝起きて、ジョーと街の中で合流してから昨日の丘へと向かった

向かっている最中はどうしてバッファローが暴れていたのかを考えている

『普段は大人しいのかい?』

ジョー「手を出さなければね。ただ、すぐに怒るから、一匹でも怒らせると後が大変なんだ」

昨日のあれを見ていれば何となく想像が出来る

一匹が暴れまわれば、他のバッファローにも被害が行き渡り、さらに他のと続いて行く

だが問題は、どうして暴れていたのかの原因だ

ジョー「昨日のバッファローがまた暴れている!」

坂道を登りきると、少ないがバッファローが暴れていた

ジョー「あ、あれはパペット」

パペットと呼ばれたモンスターは、木製で出来た人形のような感じだ

手には弓を持ち、背には矢筒を背負っていた

遠距離タイプのモンスターのようだ

今まで近接型のモンスターと戦ってきたから遠距離ではどう戦えばいいのだろうか?

そしてパペットはバッファローにちょっかいを出していた

ジョー「あいつがバッファローをけしかけていたのか!」

バッファローを刺激していたのはパペットで間違いないようだ

バッファローの大群の中に一際大きいバッファローが暴れまわっていた

ジョー「見張り台が壊れると街の守り手が手薄になってしまうぞ」

見た目は頑丈そうに見える見張り台も、バッファローの突進攻撃を何度も受ければ危ないだろう

ジョー「いつもは王国騎士団が守っているんだけど、今日はほとんど遠征に出掛けちゃっているんだ」

そう言えばハンター協会の方が少しだけ騒がしかったな

遠征が原因だったのか

ジョー「暴れたバッファローを放っておくわけにはいかない。俺達でマスターバッファローを退治しよう!」

『分かった』

ジョーの言ったマスターバッファローとは、あの一際大きいバッファローの事だろう

ジョーは剣を取り出すとまずは悪戯をしているパペットに向かって行く

では僕はマスターバッファローへ行こう

パペットは弓を構えるとすぐにジョーに向かって撃ってきたが、単調な攻撃でもあるために簡単に避けた

ジョーも攻撃を入れようと接近するものの、パペットの動きはすばしっこく、中々ダメージが入らずに苦労しているようだ

此方はと言えば突進の勢いが他のバッファローと比べると段違いの物であり

一回でも当たればかなりの致命傷となるだろう

慎重に行きたいが、相手の機嫌が最高に悪いために、こっちに突っ込んで来る事しかしてこない

ただただ突っ込んで来るだけなので避けるのにはたやすいが、相手が転回して再び此方にくるスピードが速い

そのために武器を構えている暇すら与えてくれず、避けるだけの仕事なっている

何とかして攻撃を入れなければ、此方の体力も持たない

考えても仕方がない

マスターバッファローの突進攻撃をすれすれで避けて振り返る

通り過ぎた所で剣を素早く構えて相手を待つ

転回し終えたマスターバッファローが目の前まで迫ってくる

剣に気を溜め、素早く剣を振り、相手に五回分のダメージを入れた

マスターバッファローはそのままよろけて僕の目の前で横になった

『ふぅ...』

微動だにしないマスターバッファローの表情を見ると、目を回していた

ジョー「おーい!こっちは終わったぜー」

『こっちもなー』

ジョー「うわ、マジだ」

パペットと戦っていたジョーは此方に合流すると、目を回しているマスターバッファローの顔を覗いていた

そして、怪我をさせてしまった所にはしっかりと手当をし、木陰まで運んだ

ジョー「よし、これで大丈夫だろう」

マスターバッファローを見ながら立ち上がった

ジョー「それにしても、色々な事が起きるようになってしまった」

少し暗い表情を零しながら辺りを見渡すと、しっかりとした表情に戻り僕の顔を見た

ジョー「今後に備えて、もっと特訓しておかないと」

『そうだね』

今日はそのまま丘に留まり、悪戯をするパペットや他にも暴れまわるバッファローの退治をしながら経験を積んだ

途中、疲れて攻撃を貰う事があったけど

これも今後のためを思えばしっかりと相手を見る事が大切だと思い知らされた
 

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