世界が違う

□失声症
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迅sid



結局内緒で訓練室を使い、結構マジで勝負をした結果

視えた未来通りに俺と太刀川さんは忍田さんによってこっぴどく叱られた

太刀川「めっちゃ怒られた」

迅「ああなる未来だったんだよ」

嵐山「お、迅に太刀川さん」

迅「嵐山」

廊下を歩いている途中、何かの紙の束を持った嵐山がいた

嵐山「聞いたぞ、訓練室でやらかしたらしいな」

イケメンで爽やかな笑顔で言われて、グサリと何かが刺さったような感覚だ

迅「誰から聞いたんだ?」

嵐山「東さんから。「あれは怒られるな」って苦笑してた」

太刀川「実際、結構叱られた」

嵐山「迅はS級だからな。本部内での戦闘も許可がいるから」

太刀川「あー、今度から言うか」

迅「いやね、俺やる気ないよ?」



林藤「と言う事らしい」

迅「......」

声が出なかった

それは精神的なものであって、所詮「失声症」と呼ばれる心の病

声をだそうにも口からはヒュー、と風が出るだけだった

林藤「さて、少し話でもするか。迅の場合は最上さんが預かっていた事になるが、その本人が居なくなった以上、お前を1人にしておけない。玉狛支部で俺達と一緒に暮らさないか?」

俺が守っていたあの赤子は両親が死んでしまったために林藤さんが引き取る形となった

そして、俺を守ってくれた最上さんもいなくなったために家は自然と1人だ

林藤さんはそれを心配してくれているために、俺も誘う

帰る場所がないなら

迅「(うん)」

声が出ないために、首を縦に振る

病室には忍田さんに小南、レイジさんと赤子を抱き上げた林藤さんがいた

林藤「そうか、それはよかった」

安心したような笑みを浮かべると、周りの人も笑顔になった

小南「迅、何か用事があったら言いなさいよね!私も協力するから」

木崎「小南、迅は喋れないんだぞ」

小南「わ、分かっているわよ!そんな事!!」

相変わらずの天然っぷりに笑い声が聞こえた

忍田「さて、迅の事は安心したが」

林藤「今日にでも様子を見に行ってくるさ」

忍田「すまないな、俺も正式に決まってしまったからな」

林藤「早く行きな、本部長殿」

忍田「分かった」

忍田さんが部屋をされば空気はどんよりとする

林藤「さて、今から白川の家に行くが、ついてくるか?」

小南「行く!」

木崎「俺も行きたい」

迅「(俺も)」

声に出せない分、表情と目で訴える

林藤「よし、行くか」



俺が運ばれて3日目で目を覚ました

けど、それまでの間

白川さんは本部に顔を出す事がなかった

それを心配していた皆は林藤さんが運転する車に乗り込み本部を後にした

額にはまだ包帯を巻いているが、近いうちに取れるそうだ



インターホンを鳴らすも誰も出ない

扉にはしっかりと鍵がしてあるが、違和感がある

林藤「さて、どうやって入るか」

小南「強行突破よ!」

木崎「それをすれば白川が怒られる」

小南「じゃあ、どうするのよ!」

近所の人に聞いたが、白川さんがあの部屋から出た音は聞いていないそうだ

物音がするから生きているとは言っていた

迅「!」

俺は思い出す

確か、1階にある郵便受けに...

そう思ったら足がすぐに動いた

小南「迅!」

階段を駆け下り、郵便受けを見ると中には1つの鍵が入っていた

それを手の中に握りしめると後ろには皆がいた

林藤「どうした?」

掌の鍵を林藤に見せると驚いた顔をした

小南「言いなさいよね!全く」

木崎「だから喋れないだろ」

林藤さんが鍵を受け取ると再び部屋の前へ

ドアノブに鍵を差し込むとカチャリと音が鳴り

鍵を取ってからドアノブを回すと扉が空いた

中はだいぶ変わっていた

そう、物が減っていたのだ

生活感のないリビングと台所

テーブルの下には空になっている猫の皿が3つ並び、他に目ぼしい物はなかった

『だれ...?』

「「「「!!!」」」」

声のした方を見れば、不機嫌なのか寝起きなのかパッとしない表情と低い声

体は怠いのか壁に持たれて、足をガクガクと震わせていた

林藤「どうした?」

『あー、何ともない、と言って釈放されんな、これは』

困ったように微笑み、白川は自身の額を指さした

『暴走じゃ。3日前からな』

林藤「!」

その言葉に反応したの林藤さんだけで、俺達3人はサッパリだった

ガクガクと震える足のまま体を立たせ此方に向かってくる白川さん

そして、未来が視えた

白川さんがそのまま意識を失って倒れる未来が

『お茶くらいは...』

微笑みながら俺達の方へ進んで来るが

白川さんの体はガクッと傾き、俺はその前から視えていたからこそすぐに対処する事が出来た

小南「白川さん!」

木崎「白川!」
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