世界が違う

□空閑遊真の過去
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久しぶりに全員揃った玉狛では木崎の作った料理が所狭しと並び

大盛況で終わった

水道で皿を洗っている小南と宇佐美

デザートの準備をする木崎と烏丸

次のランク戦に向けて作戦を練る三雲と雨取と空閑

テーブルではそんな3人の姿を見ている林藤

ソファーでは陽太郎の相手をしている雷神丸と迅

そんな中、三雲と雨取の話に集中しずに考え事している空閑がいた

三雲「おい空閑、聞いてるのか?」

空閑「ん?すまないな修、全く聞いていなかった」

雨取「何か考え事?」

空閑「うーむ、そんな感じだ」

小南「一体何よ、考え事って」

空閑「シラカワさんについてだ」

木崎・小南・林藤・迅「「「「!!」」」」

あっさりと言い放った空閑の言葉に、聞き間違えではないかと思う4人

ポーカーフェイスの木崎に

普段顔色が変わらない林藤に

コロコロと表情の変わる小南に

何を考えている変わらない迅

その4人の表情が一斉にして固まったのだ

空閑「俺、多分会ってる。2年前にな」

小南「ちょっと!?それどう言う事よ!!」

静寂に包まれつつあった空気にいつも通り小南が反応を返す

その表情は驚いているよりも怒りに近い表情だ

空閑「いやいや、人違いかも知れないぞ」

迅「どんな人だった?」

空閑「能天気でマイペース。戦場に出てても表情はヘラヘラとして変な言葉を使ってたな」

小南「それって、「じゃけん」とか「じゃな」とか?」

空閑「そんな感じだ」

そして4人の中で確定した、本物の人物だと

空閑「その人、「大切で可愛い後輩を置いて来たんじゃ」ってずっと後悔しているみたいだったよ」

空閑が「3」の口と棒を三本横に引いたようあ目でその言葉いい、迅は胸の内側がざわついた

自溺れでもいいなら、それはもしかして

空閑「「声の出ん可哀想なヤツじゃ。ソイツは未来のために現在を殺す」って続いてたよ」

勉強の事はからっきしダメと言ってもいい空閑が人のしかもかなり長いセリフを覚えていた事に驚くが

迅は目が熱くなり、鼻の奥がツンとした

林藤「それは白川だな。本物の」

コーヒーを飲んでいた手を止め、カップを受け皿に戻す

湯気の立っているコーヒーはまだ半分近く残っていた

烏丸「あの、白川さんて誰っすか?」

この場で白川の存在を知らないのは烏丸だけであり

その質問の意味はきっと昼間の宇佐美よりも深くまで聞いているのだろう

木崎「俺や小南、迅が入る前からいたボーダー戦闘員の古株だ。設立時にも立ち会ったって話しだ」

小南「あそこの一番左の写真、猫に囲まれている水色の髪の人が白川さんよ」

デザートの仕上げをしていた手を止めた烏丸はリビングの暖炉の上にある写真立てをを手にした

烏丸「この人が」

迅「俺の3つ上、居たら今年で23歳の人だよ」

烏丸「へー」

今年の春で20歳になる迅は遠い過去を何度も見ていた

ヘラヘラと穏やかに微笑む彼女の表情を

4年も会っていないせいで皆の中では彼女の声なんてとうの昔に忘れてしまっていたが

強い彼女が何処かでくたばる訳ないと、ずっと待っていた

林藤「迅」

迅「なんですか?ボス」

林藤「口止めされてた事、聞きたいか?」

林藤のその言葉に玉狛の全員が反応する

迅は前に思った氷月の疑問がありそれを林藤や忍田に訊ねた事があった

迅「副作用。やっぱりあったんですね」

林藤「そうだ」

空閑「それって、シラカワさんの副作用の事?」

迅「でも、なんで急にそんな事を...」

林藤「約束されていたんだよ。氷月からね」

普段、皆は何故か氷月の事を苗字でしか呼ばなかった

それが林藤の口から名前が出てきた事に、さらに木崎、小南、迅は驚く

林藤「「未来の彼が知りたいと願うんなら、それは4年後じゃ。4年後はアイツの目出度い年じゃからな」そう言ってたからこそ、俺はそれに従った」

小南「彼?目出度い年?」

宇佐美「彼は迅さんで、目出度い年って20歳の事?」

空閑「シラカワさんの副作用って「過去視」でしょ?」

林藤「なんだ遊真、聞いていたのか」

空閑「うん、何となく覚えているよ」

迅「じゃあ遊真、白川さんとの出会いから別れるまで簡潔に頼めるかな?」

空閑「いいけど、忘れている事もあるよ」

迅「頼む」

迅が必死に頼み込んでいる姿を初めて見る三雲、雨取、空閑、宇佐美、烏丸の5人

その5人は「そこまで知りたいのか」と口に出せず、何となく迅にとっては大切な人だと理解した

空閑「ふむ、じゃあ、俺がシラカワさんにあったのは2年前の夜中だったよ」
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