世界が違う

□おかえりなさい
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宇佐美「あー...」

空閑「大丈夫か?栞ちゃん」

宇佐美「多分、ね」

宇佐美が目を覚ませばまた場面が変わっていた

小南はあのまま氷月の首を絞め続けた事により氷月は気絶

それに小南は慌て、その声で宇佐美が目を覚ました

烏丸「首、絞めすぎですよ小南先輩」

小南「ど、どどど、どうしよう。まさか、死んだんじゃ...」

木崎「縁起でもない事を言うな。気道が抑えられ窒息寸前だったけどな」

小南「嘘っ!?」

背もたれにぐったりとしている氷月はしっかしと瞼を閉じ寝ている

さて、どうしたものか

林藤「宇佐美」

宇佐美「はい?何?ボス」

林藤「本部の忍田に言っといてくれないか?「迅は見つかった」と」

宇佐美「迅さんの報告だけでいいんですか?」

林藤「今はな、他聞かれたら知らないの一点張りしろ」

宇佐美「ふふ、りょうかーい」

何時もの宇佐美に戻り、彼女は地下にある施設に向かうためにリビングから出て行った

雨取「レイジさん、どうするんですか?」

木崎「あれだけは病院でやってもらわないとな。俺でも流石に無理だ」

雨取「そう、ですか...」

林藤「?」

千佳ちゃんの不安な声に木崎は何時も通り普通に返す

病院、その単語で思いつくのは怪我だけだ

アイツ、嘘をついたのか

久しぶりに顔を会わせたのにも関わらず、前と同じようにヘラヘラと笑っているから気づかなかった

前々から思っているが、氷月は自分の悩みなんて相談しない

それでいて俺達は気づかない

だからこそ彼女は自分で勝手に決めて勝手に行動する

視えない大人も悪いが、上手に隠すコイツも悪い

林藤「なんだ?大怪我でもしてるのか?」

雨取「ひ、左腕、が...」

急に怯えだす千佳ちゃんに「これは相当な怪我」だとようやく認識する

林藤「よし、烏丸、氷月連れて病院行くぞ」

烏丸「!、了解っす」

無表情だけど急に話を振られた事により驚いた烏丸は俺の指示通り彼女を抱き上げた

烏丸「...軽いっすね。これでよく帰って来られたな」

何に関心しているか分からないが、木崎の言う事が正しければ今すぐ病院に行かないといけないだろう

林藤「よし、游真達は帰って家で寝ろ。小南も学校あるしな。木崎は戻って来た宇佐美に帰ってもいい事を伝えて、迅の面倒と...」

そうだ、彼女の部屋には猫達がいる

さて、どうしたものか

木崎「林藤さん?」

林藤「一応、猫達を此処へ連れてきてくれ。俺は病院に行った帰りに烏丸を送る」

烏丸「ありがとうございます」

そうして、玉狛は作戦(?)に移る

中学生組は支度をしてすぐに玉狛を出て行くと木崎は猫達を連れに2階へ

その間、烏丸は俺の車に彼女を運び込むと小南は今にも泣きだしそうな顔をしてしょんぼりとしていた

テーブルには手が一切付けられていないまだ湯気の立っているココアが2杯分あった

木崎「あ!こら...」

リビングの扉を開けた瞬間、木崎の腕の中で大人しくしていた3匹の猫達は暴れだし

3匹同時に床へ着いた

最初に近寄ったのは烏丸

足元をクンクンと嗅ぎ次には顔を見上げた

烏丸「?」

しゃがんだ烏丸は猫達の頭を撫でると黒猫シュヴァルツはピョンと烏丸の胸へと飛び、烏丸が抱える

そこでまたクンクンと鼻を機能させると、今度はピョンと腕から出て行った

次に猫達が向かったのは迅の元だ

迅が羽織っている、また着せられたローブに鼻をクンクンとさせると

「「「ニャー」」」

そこで初めて鳴き、体をごしごしとそのローブに擦り付けた

林藤「お前たちの主は戻って来たぞ。今から病院に行ってくるが、大丈夫、すぐに戻ってくるからな」

猫達を撫で、烏丸に視線で伝えると

「お疲れ様でした」と一声掛けて玉狛を出た
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