アーサーカークランドと東洋の陰陽道学生生活
□一年目前編
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短い間世話になっていた浜辺の一軒家から旅立つため、9と3/4番線につながる駅に俺達はきた。
ここで伯父と二人の叔母とはお別れになる。
『では短い間でしたが、お世話になりました。』
『とっても楽しかったわよ。』
『また戻ってきてくれ、いつでも歓迎するから。』
『向こうでも頑張ってね。』
優しい言葉をかけてくれる三人に、慣れないながらもハグを返す。
『長い休みには戻ってくるつもりでいますので・・・。』
『当分帰ってこなくていいんだぞ!』
感動のシーンをぶち壊すように言ったのは不満一杯って全身で現しているアルフレッドだ。
『こらアル。』
アルの母親が注意するが全く聞く様子はなくさらに続ける。
『君は留守番で、菊がくればいいんだぞ!』
『まだ怒ってるのか?』
『るさい、アーサーなんかさっさと行けばいいんだぞ!』
『アル!』
『汽車がくるからもう行くんだぞ!ほらマシューも早く!!』
『え、ちょっとひっぱらないでって!』
『送っていくって言ってるのにしかたないな。ではいってきます。』
成長期の性か大人の体格に近づいたアルは困ったような反応をしているマシューを引きづり、9と3/4線へと続く柱に吸い込まれて行った。
『『『いってらっしゃい。』』』
その後をおいかけ俺も柱をくぐった。
冬休みあけということで9と3/4線は学生達でにぎわっている。
なんだかんだ顔が有名になってしまった性で学生たちの視線が集中し、歩きにくいが人を避けつつ前を行く二人を追いかける。
『どんどんいくなよ。』
『ついてこなくていいんだぞ!』
『もう、アルったら!』
『見送りぐらいさせろよ。』
『お断りなんだぞ!』
振り返りもせずに列車に乗り込もうとするアルと強引に腕を引っ張られるマシューのあとを追いかけていくと見覚えのある姿がみえた。
『あいかわらずにぎやかやな。』
『アントーニョか、ひさしぶりだな。お前も見送りか?』
『そうやで、フェリちゃんとロヴィを見送りにきたんやで。』
『あ、アーサー!アルフレッドとマシューも!』
『ちぎー、やっときたのか。』
『二人とも席はとっておいた。』
『ナイスなんだぞ!』
『お久しぶりです。』
列車の窓から顔をだしたフェリシアーノ、ロヴィーノ、それにルートヴィッヒに片手を軽くあげ合図する。