□やきもち
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ああもうむかつく。忙しい時だろうが何だろうが、自分が構って欲しくなると私の邪魔をしに来るのに、ちょっと構わなかったらトト子の所へ行くんだ。大人になってから気楽に誘えなくなったとか言ってたのは嘘だったの。二人で喫茶店とか完全にデートじゃん。別に付き合ってる訳ではないから好きにしたら良いけどさ。…え?焼きもちなんて妬いてないし。でも、トト子の代わりみたいで凄く嫌。今は私といる時間の方が長いんだよ。私がどれだけ疲れてたって、休日に遊びに来れば一緒に出掛けたりして遊んでるの。平日だって、おそ松が風邪引けば在宅仕事を後にして、真っ先に看病しに行ったよ。其の日の夜は徹夜して仕事終わらせたけどね。だけど私だって、流石に何時も仕事を放り出すことは出来ないじゃん。今日は仕方無かったの。平日だし、納期までギリギリなんだもん。それなのに二人でいちゃいちゃと。昔から好きなのは私じゃなくてトト子だもんね。ふん。

「もー飲み過ぎだって」
「良いのトド松、今日は飲むの」
「本当にデートか分からないんだから気にすることないって」
「…別に、トト子のことは気にしてないし」
「(ああ、面倒くさい)」



ああもうむかつく。折角この俺が遊びに行ったっていうのに、仕事だ納期だなんだのと言って追い返しやがって。ちくしょう、仕事なんてするなよばーか。仕方無いから外でぶらぶら歩いてたらトト子ちゃんと会えたからまぁ良いけど。っていうか、さっきトド松から**と飲みに行くことになったけど大丈夫?って連絡が来たけど、仕事終わったんなら俺に連絡して来いよ。何でトド松と行くんだよ。ていうか、大丈夫って何だよ。…え?焼きもちじゃないって。それにしても、**が飲みに行く相手ってトド松なんだよなぁ。トド松が何時も俺に話してくるんだよ。確かにあいつは女にモテるけど、俺の方がお兄ちゃんだし。俺の方が**と居る時間は長いし。俺の方が構って貰ってるし。俺の方がよく怒られるし。俺の方が飲み友に相応しいはずだろ。それなのに二人でいちゃいちゃと。どうせ好きなのはトド松なんだろ。ふん、もう知らね。

「あのおそ松君が恋のお悩みなんて」
「恋じゃないよトト子ちゃん!」
「ふふ、でもトド松君とは何もないんじゃないかしら」
「べ、別にトド松のことは気にしてないから!」
「ああ、面倒くさいわ」



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