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□rainbow of happy color(完結)
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「ここだ」
都内にありながらも、どこか避暑地のような閑静な場所にその一軒家は建っていた。
3階建ての大きな一軒家を見上げながら簡単な地図が書かれたメモをポケットにしまった。
今日から、ここが私の住む家。
厳重なセキュリティを通り抜け、玄関の前に立つ。
キャリーケースが重く感じるのは、荷物の重さだけではないはず。
深い溜息をつきながら、バッグからカードキーを取り出した。
「やっぱりどう考えても、おかしいと思うんだけどなぁ。一応、女なんですけどね」
この鍵を開けたら、私の新しい生活が始まる。
この鍵を開けたら、私達の…