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□rainbow of happy color 〜2nd season〜
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− a few years ago −
この家に来て、二度目の桜が庭に咲いている。
あの日、初めてこの家に来た時も満開の桜が咲いていた。
家にいたのはニノくんだけで、部屋で気持ちよさそうに寝てたなぁ。
初めてニノくんから話しかけられた言葉は「あんた、誰」
らしいって言うか、なんて言うか。
思い出し笑いをしながら朝食を作った。
「うわ、愛が1人で笑ってるよ」
「愛ちゃん、むっつり!」
「仕方ないよ。付き合って3ヶ月だっけ?一番いい時じゃん」
「ニノも同じような感じの時あるよね」
「楽屋でね、急に笑い出したり。むっつりカップルか」
「違うって!ちょっと思い出し笑い!」
「ニノの?」
「まぁ…そうと言えばそうだけど…」
「やっぱり〜!」
「もう!ほら、朝食できたよ!食べててね」
「は〜い」と4人は眠そうにイスに座った。
私はスケジュール表を見てから、バタバタと階段を駆け上がる。
「ニノくん、そろそろ起きないと。朝食、できたよ?」
「ん〜。眠い…」
「昨日、遅かったもんね。朝食、持って行って少しでも寝る?」
「いや、起きるよ…でも」
ニノくんは私の腕を引っ張ると、ベッドに引き寄せた。
「ちょっとだけチャージね」
「お疲れさま」
目が合うと、ニノくんは微笑んで軽くキスをした。
「4人は?」と聞かれて「朝食、食べてるよ」と答えると、少しだけキスは深くなった。
「仕事、落ち着いたらマンション来てね。もう限界はとっくに越えてるんだから」
「うん。それまで頑張って!」
笑い合うと、ドアの方から物音がした。
2人で目を向けると「バカッ!足、踏むなよ」と翔くんの声が聞こえてきた。
「ごめん!」と雅紀くんが謝ると「しっ!声がデカい!」と潤くんが叱る声。
そして「見えなくなっちゃったよ〜」と智くんが少しドアを開けた。
「やっぱり、あれだな。鍵が必要だな」
「ま、私達も悪いね」
ニノくんはベッドから抜け出すと、思い切りドアを開けた。
同時に「うわぁ!」という4人の叫び声が耳に届いた。