毎日を塗りつぶせ
□アクネ菌許すまじ
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「黄瀬君おはよう!ねえきいてよ!」
「おはよっスまなっち!なんスかなんスか!」
後ろの席のまなっちが遅刻ギリギリで来た。今日も元気いっぱいだ。さっきまで俺を取り巻いてた女子の集団が引いていくレベルで。
「それがですねー昨日ですねー帰る途中ですねー、めっちゃ色黒い人と知り合ったんですね!」
「へーおしゃれっスね!焼いてるんスか?」
「いや!!その人の言動からはめんどくさがりな性格が見受けられる!よってサロンに行くようなおしゃれさんではない!よって地黒!」
「珍しいっスね!メラニン色素が多そう!」
「ね!でもシミができても目立たなそうだから便利だよね」
まなっちは笑顔いっぱい元気いっぱいで話し続ける。やっぱ邪気がないっていい。この子ある意味邪気の塊だけど。
「あーそれはあるかもっス...俺なんてホラ、ここにニキビできちゃって〜。目立つでしょ?」
そう言って前髪をかきあげておでこを見せると、まなっちはみるみる青ざめていく顔で俺の頭をがしっと掴んだ。痛いっス。
「うわあああ黄瀬君のツヤツヤゆで卵のような美白スキンにニキビが!!おのれアクネ菌め許すまじ!」
「ははっありがと!でも手離して!痛いっス!」
「あっごめんね!黄瀬君の汚れなきもち肌を侵した罪深きニキビ見たさについ」
そう言ってまなっちは前を向いた。先生が来たみたいだ。
相変わらずまなっちは面白い。俺と話す時も下心とかがなんも見えなくて、話してて楽だ。フツーにカワイイし。
「さつきちゃん、ニキビってどう思う!?」
「えっ!?うーん、やっぱ厄介...だと思うなあ...」
「だよね!さつきちゃんのもち肌を侵す罪深きアクネ菌許すまじ!だね!」
「そんな!ありがとまなちゃん」
(マジでなんだコイツ...)
「青峰君は色黒だからニキビに負けなさそうだよね」
「うっせーよ!!」