毎日を塗りつぶせ

□ゴムがもたらす思春期アクシデント
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※下ネタ注意



「黒子君と青峰君だ!肌の色が対照的だね!」
「こんにちは宮牧さん」
「げっ...つーかテツ、こいつと知り合いかよ」
「はい、この間から」
「ね!こないだ知り合いになったもんねー」

宮牧さんは前と同じ、きらびやかな笑顔を僕に向ける。純粋で明るい人だなと思う。

「んでお前は何ニヤニヤしてんだ」
「普段よりいっそう表情筋が緩くなってますね」
「ふふーん。めっちゃ面白い物貰ったから自慢しに来たんだよね〜」

宮牧さんは得意げな顔でポケットをごそごそとまさぐった。そして取り出したのは、未開封の正方形の小袋。

「ほら!コンドーム!!」
「はっ!?イヤお前...やめろ女子が大声でそういうこと言うな!!」
「青峰君そう言いつつちゃっかりブツをくすねないでください」
「青峰君それわたしのコンドーム!」
「ちょっとお前黙れ!誤解されたらどうする!」

宮牧さんは青峰君に口をふさがれ、もがもがと必死に声を出そうとしている。体格差的に絵面が犯罪臭い。

「青峰君、それどうするつもりですか」
「は!?いや、どうもしねえよ...このアホから取りあげただけだ!!」
「人を咎める時の顔にしてはやけににやけてますけど」
「あ!??にやけてねえよ!!!」
「ぷはっ」

僕に抵抗するため手の力が緩んだのか、宮牧さんは青峰君の拘束から解放された。やっぱりどう見ても犯罪臭い。

「青峰君返して!」
「つーかお前、どっからこんなん持ってきた。買ったんか?」
「あー、友達がくれた」
「誰だ!??」
「青峰君、目が本気過ぎです」
「あー、教えなーい」
「ざっけんなよ!!!おいテツもなんか言ってやれ!!!」
「僕はさほど興味ないので」
「えー!これレアだよ!」

いや普通にコンビニとかで売ってますからね。レアでもなんでもないですから。
とはいえ僕もそれなりの年頃、興味がないわけではない。ましてや同年代の女性がそれを持っていたらますます気になる。つくづく宮牧さんは怖いもの知らずだ。

「いいからよこせ!お前が持ってても無駄だ!!」
「青峰君だって使う機会ないでしょう」
「あっ、あるかもしんねえだろ!!!」
「せいぜい中に水を入れて耐久性を確かめて終わりだと思いますよ」
「いやまだ希望はなくなってねえ!!!」

青峰君、キミ、そんなにぎらついた人でしたっけ。
ぎゃーぎゃーと2人が騒いでいたら、宮牧さんが頭上にクエスチョンマークを浮かべながら爆弾発言を残した。

「ところでさ、これって何に使うの?」
「はあ!?そんなん決まってるだろ、ほら、アレだよ」

そう言い片手の親指と人差し指で輪っかを作り、もう片方の手の親指でその隙間を上下する青峰君。最低です。

「...なにそれ?」
「あ!?つかお前使い方知らねー癖に持ってたのかよ...」
「宮牧さん、これは避妊具です」
「ヒニン?」
「子作りの際、子供ができないようにするためのものです」
「えー、子供って結婚すれば勝手にできるんでしょ?」

その一言が僕達の空気を固めた。この人ほんとに純粋なんですね。




(おい緑間これ見ろよ!ゴムだぞゴム!!)
(なっ!?破廉恥なのだよ!!赤司に報告する!!)
(赤司だけはやめろマジやめろてめえ!)
(寄越すのだよ!!この野獣め!!!)
(あーっ!!!返せ返せふざけんな!!!)


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