短編

□GO!GO!天下一武道会@
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受付を済ませると、会場に向かった。
天下一武道会のルールが変わったので、パンチングマシーンで計測し本戦出場者を決める。
…が、名無しは絶望した。なんと、悟空やベジータが出場しているではないか。

(あわわわ、悟飯君までいるじゃないか!これはちょっとまずいぞ…)

冷や汗を大量に浮かべ、サングラスがずれおちる。
名無しはバンダナを巻いてサングラスをかけている(どこかの悟飯のように)。
ちなみに名無しは「バッド」という偽名を使っている。適当に思いついた名前らしい。

「まずは、バッド選手、どうぞ」
「あっ、はい…」

「あんな奴初めてみたぞ」「誰だよ、すげえ弱そうだな」観客は初めて見る出場者に顔を曇らせる。
ふと悟飯は過去に出場したときの自分の姿みたいだなあと思った。

「あいつ、つええのかなあ」
「どうでしょう」

気を抑えているので、二人にはどれくらいの強さなのかわからない。誰なのかもわからない。
が、ベジータは…

(怪しい…あの雰囲気…あの声…あの歩き方…)

見た目からして弱そうな謎の選手をじっくりと見つめるベジータ。

「名無し?」

つぶやいた声が、悟空の耳にも入っていく。

「何言ってんだよ、あいつが此処に来てるわけねえだろ」
「……」

ベジータは悟空の言葉など聞いていなかった。

バシンッ

「ええと、189、ですね」

観客は皆驚きの歓声をあげている。
ベジータははっとした。あいつは名無しだ、と完全に確信したのだ。

「悟飯」
「…はい、僕も、今わかりました」
「えっ?何のことだよ、二人とも」
「カカロット、わからんのか!あいつは名無しだ。今あいつは一瞬だけ気を大きくした。わからなかったのか?」
「あっ…そういやそうだ!何であいつが参加してんだ…?」

悟空は首を傾げるが、悟飯は喜んでいる。

「僕はうれしいですよ。名無しさんと久しぶりに戦いたいし…」
「フン、名無しは俺と戦うんだ。決勝でな」
「まだわからないですよ」

悟飯とベジータの間にバチバチバチ、と小さな火花が散っている。

「えー、では次に、孫悟空選手」
「あっ、オラの番か!」

名無しはまだ、3人に気づかれていないと思っており、ほっとしていた。
悟空と悟飯は力を抑えてパンチングマシーンを軽く叩いた。
…が、ベジータは、パンチングマシーンをあっけなく壊してしまったのであった。
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