短編2
□嫉妬したようです。
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休日、俺は友達に誘われて一緒に買い物に行っていた。
結構その友達とは気が合うから話が進んでたんだけど、ふと横を見ると遠くだけどベジータが居た。
目があったけど、何故かベジータは俺を見た瞬間、明らかに怒ってそうな顔をして、そのまま歩いていってしまった。
あちゃー……これはまずいかもしれない。
そして、家に帰ってくるといきなり、
「おい、名無し!!貴様!!」
ずかずかとベジータが俺の目の前までやってくると、すごい勢いで押し倒してきた。
そして責める口調で何故か怒られた。
って胸ぐら掴まないでください!!暴力反対!俺普通の人間だから殴られたら死んじゃうよ!
「今日貴様が知らない男と話しているのを見たぞ」
「え、うん……知ってるけど……なんで怒ったのさ、ベジータ」
「……」
ベジータは突然黙った。どうしたんだろう。
ん??待てよ、もしかして……。
「あ………ベジータ、もしかして……さ」
「な、なんだ……」
「嫉妬したのか?」
「〜〜〜〜〜〜!!」
胸ぐらを掴んでいた手がぱっと離れ、ベジータの顔が真っ赤になった。
ああ〜。やっぱりな……。
ふふふ、可愛いなあ、ベジータは。
「ふ、ふざけるな!!俺が嫉妬などするわけないだろう、こ、この勘違い野郎めが!!」
「だ、だって、普通そうなるじゃないか」
「ぐ、う……」
「ベジータも可愛いところあるんだな」
「……!!う、うるさい!可愛くなどない!別にお前が他の男と話しているのを見て、イラついたわけじゃないんだからな!!」
いや、それ「ツンデレ」やないか。
やっぱベジータ嫉妬したんだな。
ふふふ。あ、ダメだ、笑っちゃ殺される。でも可愛いからしょうがないじゃないか。
「………名無し」
「?なに」
「俺以外の男と話すな」
「ははは。うん」
「お前は、俺のものだ」
左右に眼を逸らした後、ベジータは俺と距離を詰めた。
そして、どこかぎこちなく、でも力強く抱きしめられた。俺は嬉しさを感じた。
「ベジータ、好きだ」
「……ん、ぐ……。俺も、す……好きだ」
俺とベジータは、見つめあった後キスをした。