V6 びーえる
□スキ、キライ
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1×4の場合:寝起き
何かが鳴っている。
こんな朝早くから何が鳴ってんだよ…
重たい瞼を必死に開き、まだ開ききらない目をこすりながらゆっくりと起き上がる。
どうやら音の正体はインターホンのようで、まだ鳴り続けている。
なんでこんな朝早くから。
と思ったが、そこで思い出した。
剛「…坂本くん?」
そうだ、坂本くんだ。
そう思って、まだうるさいほど鳴り続けるインターホンを止めるために玄関に向かった。
ドアを開けると、案の定そこにいたのは坂本くん。
坂「お前さあ、剛が呼んだから来てやったのに開けるの遅えよ。」
剛「ごめん寝てた…」
坂「みたらわかるよ、寝起きの顔してるしな(笑)」
そう、俺は今日坂本くんを家に呼んでいた。
理由は、朝ごはんを作ってもらうため。
俺が朝ごはんを食べないことを知った坂本くんに怒られそうになり、「じゃあ坂本くんが作りに来てよ」と頼んだのだ。
俺の家には大して食料がないと踏んだのか、坂本くんの右手にはどうやら買ってきてくれたらしい食料の入ったスーパーの袋がある。
剛「まあとりあえずあがってよ。」
そうして俺は坂本くんを家に招いた。
…………
坂「人を招くわりにその格好のままなんだな(笑)」
そう言われて自分の服装を見てみると、全身黒のジャージ。
坂「寝起きドッキリの時みたいじゃねえか、やっぱりスタントマンだな(笑)」
剛「違えし、そんなこと言ってる暇あったら俺の朝飯作れよ(笑)」
坂「おま、それが作ってもらう態度かよ!(笑)」
そう笑いながら、坂本くんは俺の家のキッチンに立った。
人の家のキッチンでもよく似合う。
なんだか使いこなされているようなエプロンを手慣れた様子で身につけ、坂本くんは料理を始めた。
…………
剛「うわ、すっげえうまそうなんだけど!」
俺もそろそろ目が覚めてきた頃。
とりあえず着替えてリビングに戻ると朝ごはんが出来たようでテーブルに並べられていた。
坂「まあ簡単なものしか作ってねえけどな。」
そういう割には、いかにも日本人の朝食みたいな和食がズラリと並んでいる。
剛「え、これ食っていいの?」
坂「じゃなきゃ作らねえよ、ほら早く食べねえと冷めるぞ。」
そう言われて、俺は慌てて席に着いた。
剛「いただきます!」
…………
剛「ごちそうさま、坂本くんやっぱり料理上手いねすんげえ美味かった!」
食にはこだわらないとは言っても、やっぱり美味しいものを食べたい。
そんな俺からしたら、こんなに美味しいご飯を食べたのは久しぶりかもしれない。
ごちそうさまを言い切らないうちに感想をまくし立てた。
坂「わかったわかった、落ち着けって、そんなに美味そうに食ってくれたら俺も嬉しいよ。」
と、そこで坂本くんは何かを思い出したような顔をした。
坂「そういや剛、昨日のテレビ見たぞ?」
剛「…うげえ。」
くそ、きたか。
まさか見ていたとは思いも寄らず、つい口からうめき声が漏れた。
坂「俺のこと嫌いなんだって?」
剛「だからそれはあれじゃん、会って3秒の印象であってさあ…」
とりあえず必死に弁解。
だがあんまり坂本くんは言ってることを聞いてくれていないようで。
坂「…剛、ちょっとこっち。」
そう言って手招きされ連れてこられたのはなぜか俺の寝室。
剛「坂本くんなに?」
なんだか昔のオーラが漂っている気がしないでもない。やばい。
坂「とりあえずベッドに座れ。」
なんだか逆らえない命令口調。
とりあえずベッドに座ると、その直後坂本くんは俺の肩を思いっきり押してきた。
いきなりで抵抗も出来ず、俺はそのままベッドに倒れこんだ。
剛「ちょ…坂本くん?」
起き上がろうとしたら坂本くんもベッドに乗り込み、なぜか俺の上に馬乗り。
剛「坂本くん…っ、ごめんって、ちょっと落ち着いてってば!」
笑顔が怖い。
坂「お仕置きな?」
すると坂本くんは…ーーー俺の脇腹に手を差し込んできた。
そのままくすぐりに入る。
剛「うひゃっ!?
ちょ、坂本く、ん、あひゃひゃ!!」
くすぐったい。
抵抗しようにも坂本くんが俺の上に乗っているからジタバタしてもなんの効果もない。
しばらくしたらやっとやめてくれたが、俺はひたすら息切れしている。
坂「知ってるよ、お前が今はメンバーのこと大好きなことぐらい。じゃなきゃ20年もやってねえだろ?」
剛「…さすがだね。」
きっとこの言葉だけで伝わるだろう、坂本くんなら。
剛「…やべ、仕事。」
坂「先言えよ!(笑)」
とりあえず急いで2人で食器の片付けをして、ゆっくりする暇もなく2人で一緒に家を出た。