HOWL BE QUIET

□竹縄航太
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家からさほど離れていない場所にあるライブハウスなのに入った事は無かった。
狭いが初ライブならこれくらいだろう。
軽く周りを見渡すと満席だった。ほとんど同級生だとは思うが。と望愛は考えながら席に座った。

10分ほど待ったところで会場のライトが消えた。
そしてすぐステージのライトが点いた。
「ガンガン飛ばしていくぞ〜!」
声と共にステージが明るくなって現れた4人。
先ほどの4人のようだ。チケットをくれた人はボーカルらしい。ギターとピアノの両方を曲に合わせて弾いている。
5曲ほど歌ってライブは終わった。アンコールは無し。まだまだ新米だからだろうか。
望愛は小さな物販スペースへ行き、すぐにCDを購入した。

「ねえ、ライブどうだった?」
会場を出るといきなり声をかけられた。
振り返ると先ほどチケットをくれ、ライブでは歌っていた美青年が居た。
彼は望愛の持っているCDの袋に気づくと楽しんでくれたんだ、と微笑んだ。
「あの……お名前は?」
望愛が訊くと彼はああ、と言った。
「俺は竹縄航太。HOWL BE QUIETのボーカルピアノギターやってます。君の名前は?」
望愛は頭を下げ、和田望愛と名乗った。
「また会おうね、だからライブ来てよ」
そう言い残して竹縄さんはまた会場に入って行った。

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