HOWL BE QUIET

□竹縄航太
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時刻は20時。望愛は自宅で軽く夕食を摂った後で一人テレビを見ていた。特に面白い番組をやっているわけでもない。そもそも内容など頭に入って来ない。そわそわして仕方なかった。
望愛は独りでソファーに座って竹縄から貰った合鍵を弄る。
昨日今日で進展しすぎだ。確かに友達付き合いは長かったし、2年前から好きなのも本当だ。
「……はあ」
考えれば考えるほど幸せだ。
こんな態度をとっている望愛だが、舞い上がり過ぎている自分を抑えようとしているのである。
竹ちゃんはアーティストだから。竹ちゃんはかっこよくてで良い人だから。あたしは幸せを無くしたくない。望愛はその一心で自分を抑えている。
少し落ち着こうと、望愛がコーヒーを煎れに立ったと同時に携帯の着信音がなった。
もう、とため息をついてLINEを確認する。
『二次会始まったよ。事前に話してある所だから。待ってるよ』
やけに丁寧じゃないの。
『わかった。すぐ行くね』
鏡で軽く身なりを確認した望愛は家を出た。
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